LONGINES Cal.291 その2

耐震装置をつけたら、日の裏押さえをつけます。Cal.284と同様、三番車の穴石が

押さえに付いているからです。
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裏返して輪列をセットします。Cal.284と同じ並び方です。
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ガンギ車の受けが単独になっているので、受けのかぶせ作業が楽になるかと思いましたが、

そんなことはありませんでした。
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角穴車、丸穴車、コハゼをつけて主ゼンマイを少し巻き、アンクルの動作確認。ピンピン動きます。

アンクルとガンギの歯が当たる音なのか、土手ピンとアンクルの竿が当たる音なのかわかりませんが、

カンカンと音が聞こえます。こんなことは初めてです。

そして、テンプを取り付け。毎度ながら、テンワが元気よく回るとほっとします。

最近、テンプに難アリの時計が散発しているのでよけいにそう思います。
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ばらした自動巻ユニットを組み立てて取り付け。これで表はほぼ完了。
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これはオシドリの地板側の面です。ボスが立っていて、これが地板にはまります。普通はボス無しで

ネジが切ってあるだけですが、これだとネジが2山くらいしかなくバカになりやすいのでボスを

立てた? よくわかりません。
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巻真まわりを取り付け
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カレンダー取り付け。
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謎の星形部品の役目が、動作確認で判明しました。星形の隣にあるのは日送り車に見えますが、

通常の日送り車なら24時間で一周するところ、この部品は一日に9周します。

そしてこの爪は直接日車を送らず、星形の車を一歯/周送ります。

この星形が一周する時に初めて日車を送ります。

こんな手間をかける理由ですけど、たぶん日車が回り始めてから切り替わるまでの時間をできるだけ

短くしたかったんじゃないでしょうか。昔の時計だと午後10時くらいから回り始めるものが多いですが、

この時計は11時45分くらいから回り始めます。一生懸命考えたんでしょうね。

でも、これのおかげで針を戻してまわして日付を送ることができないのは困りものです。

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シンガー製の文字盤をつけて
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ケースに入れてローターをつけて
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できあがり。
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ローターの外し方ですけど、ローターを見るとマイナスネジの溝を縦にしてずらしてやればいいと

思いますよね。実際そういう構造なんですが、ネジをずらしながらローターを真上に上げるというのは

かなり難しいです。ローターがひずんでいるのは、なかなか外れなくて無理をした結果なのかなと

思います。