ORIS Pointer Date 302-7376 17J

オリスです。ジャンク、通常品ひっくるめて初めてのオリス時計です。オリス、価格がリーズナブル

だし、嫌いじゃないんですが、今まで縁がありませんでした。オークションではポインターデイトが

時々出ますので入札するんですが、いつも意外なほどの価格になってしまうため、諦めていました。

今回のポインターデイトは自動巻ではなく手巻きで、裏蓋もシースルーではありません。風防も

状態が悪いためか、他の入札はなく、私が落札しました。
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風防は表面に溶剤をたらしたかのような傷み。磨けば取れるかもしれませんが、縁が割れているため

交換前提です。ケースは比較的きれいですが、クロムメッキのようですね。一部にメッキのはげがあって

露出した地金に緑青が出ています。

どんな機械が入っているのかと期待しながら裏ぶたを開けました。そこには衝撃の事実が!!
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そこには予想以上に小さい機械(ETA 2691) が。まあいいんですけど。現行の機械を使って

ボンベ文字盤の時計を作ろうとしたら、文字盤外径に対してかなり小さい機械を使わないと

成立しないことはわかりますし、スぺーサーが単なるわっかじゃなくて、多少は気を遣った

処理をしていると思えますので。

機械はきれいですが、緩衝装置にも油が全くない状態ですのでメンテは必須です。

ということで機械を取り出し、分解開始。機械が小さいのでユニバーサル機械台を使いますが、

これ使いにくいです。まず文字盤を外しました。
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なんか変な感じです。真ん中の、曜車みたいなものを外してみました。
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外側にある、通常なら日付が書いてある板の動きがポインターのついた真ん中の車に伝わる仕組み

のようです。日の裏の構造は、どこかで見たものが小さくなっているだけのようですね。
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緩衝装置はNovodiacと呼ばれるものです。3つの角を同時に押さえながら回さないと取り付けが

できない形状で、これは機械での取り付けを前提にした仕様と思われますが、手作業でも不可能では

ありません。今回は、以前見つけて購入してあった工具を使います。

Novodiacはサイズが3つあるとのことで、それぞれに合わせたもの3本がセットになっていました。
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次は表側です。コハゼの形がちょっと変わっていたこと以外は特筆すべきところはありません。
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輪列です。小さいながらETA輪列というやつですね。
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分解が終わったので洗浄し、組立。輪列は座りが悪く、受けをかぶせるのにちょっと時間がかかりました。

いつも通りの工程で表側は完了。
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さらっと書きましたが、実はゼンマイが・・・外端折れ・・・

作業を中断するのも悔しいのでそのまま続行。日の裏側もどんどん組み付け。
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ほとんど傷みのない文字盤と針を取り付けました。
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元々の風防はテンションリング入りでしたが、残念ながら互換性のあるテンションリング入り風防は

なかったので、リングなしの汎用風防を取り付けました。

テンションリングで文字盤を受ける構造ではないのが幸いしました。

軽く磨き、メタルクリーナーで緑青を取ったケースに入れて
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できあがりです。
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針・文字盤はほぼ完璧で、ケースも結構きれいなのですが、ゼンマイ外端折れなのが非常に残念。

巻けるところまで巻いた時のパワリザが12時間程度なので、だましだまし使っている間に

ゼンマイを調達することにします。

ゼンマイ探しの旅に出る時計がまた一つ・・・