REVUE-THOMMEN REVUE-SPORT 30's 分解清掃

今ニコイチがはやっているようですが、ちょっとネタがないので別路線で。


今から5年ほど前に、某リサイクルショップで購入したレビュートーメン

REVUE-SPORT 30'sです。
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5年前の中古で、その店が店頭に並べる前にちゃんとメンテをしているとは

思わない方がいいので、もうメンテ時期が来ていると思います。

以前に比べると、遅れが目立つようになりましたしね。


ということで分解に入ります。裏蓋はスナップ式の一種だと思いますが、赤い

ガスケットで固定するタイプで、最近の時計では主流の風防の固定方法

(ベゼルと風防の隙間にガスケットが入っている)と同じと考えればいいです。

その裏ぶたを外します。
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結構小さい機械が、大きめのプラスペーサーで固定されてます。

機械は金色めっきされていて、傷や汚れもなく状態は良好です。

刻印がないので確証はありませんが、Cal.No.はGT12と思われます。

二番受けに「MSR」という刻印がありますが、これはレビュートーメン

1960年代にVALCAN社等と結成した、時計製造業組合みたいな

組織のことらしいです。MSRは2000年に解体されて、MSRに代わって

「GT」という名前が使われるようになったようです。

この辺の時系列はかなり勝手な推測が入ってますので、あまり信用しないように(^_^;


とにかくこの機械、一応レビュートーメンの自社ムーブということになっています。

一目見たところでは他社と違うようには見えませんが、さて。


ケースから機械を取り出します。文字盤、針は十分きれいです。
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その文字盤を外します。現れた日の裏は、実にオーソドックスです。
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裏押さえを外しても、その下は実に普通。
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あっという間に分解が終わりました。次に表側の分解です。
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こちらも、特別変わったところはなさそうですね。

受けを外して輪列を露出させました。輪列は、スモセコ機としては普通かな。

ただ、香箱がくりぬかれているのは珍しいですね。
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この機械の派生に、スケルトン仕様のものがあるらしいのですが、その香箱を

流用しているのではないかと思います。


これで分解は終わっちゃいましたので、洗浄して組み立てに入ります。

地板にインカブロックをつけて、輪列を乗せます。ガンギ車はエピラム処理しました。

香箱内もきれいなので、香箱真まわりのみきれいにして注油しました。
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ひとつ前の写真と同じみたいですが、違います(^_^;

受けをかぶせ、ザラ回し、エピラム処理したアンクルを取り付けてアンクルチェック、
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そしてテンプを取り付けます。
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テンプ受けにはオプションの偏心微動緩急針がつく座がありますが、

なんか間抜けというか寂しい感じがしますね。


日の裏も特にコメントすることがありません。元の通りに組み付けます。
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文字盤をつけて針をつけて、ケースに入れて完成です。
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もともと外観は比較的良好でしたので、風防をサンエーパールで磨いたのと、

ケースの汚れ取りをした程度です。


三針スモセコノンデイトという最も単純な機械では独自性を

出しにくいのかもしれませんが、これだけ普通の機械だと

「自社製」を強調するのはいかがなものかという感じがしてしまいます。

セイコーシチズン、オリエント、リコーなど普通に自社製ですから。

強調しているのは早く売りたいお店なのかもしれませんが。