スピットファイアークロノの再修理(これで最後にしたい)2
再度分解修理をすることにしました。
ムーブメントをケースから取り出し、時分クロノ秒針を外します。サブダイアルの針は、
文字盤との隙間がなく剣抜きが使えないので、文字盤の足のロックを緩め、ムーブメントと
文字盤の隙間を広げることで外します。
この方法がいいのか悪いのかわかりませんが、文字盤への影響はなさそうです。
この時点で、12時間積算針が文字盤に固着していたことが判明。
これは、度重なる針の抜き差しでハカマが緩んでいたので強く押し込んでしまったためでしょう。
試しに固着を解いた状態でクロノを稼働させたところ、針が動きました!
経過時間と針の指示もぴったりです。
これで、分解を続ける意味がほとんどなくなってしまったのですが、スピマスマーク40のトラブルに
関して資料や写真ではなく実物で確認したかったので、そのまま継続することにしました。
ばらしてみると、12時間積算計には香箱中心の小さなギアから動力が来ていることがわかります。
香箱から常にトルクを受けて回転しようとしている軸をストッパーで止めているわけですから、
どこかにスリップさせる場所があるはずです。
そのからくりは積算計自身が持っていました。写真の三角の板がクラッチで、ストッパーが
かかるとここで空回りするという仕組みです。
地板の隙間から見える香箱の歯車から動力が来ます。
地板の隙間から見える香箱の歯車から動力が来ます。
仕組みはわかりましたが・・・
動かないはずなのに動くまたはその逆の現象は原因が想定できるのですが、
早く進むという現象の原理がまったく見当がつきません。
これ以上眺めていても仕方がないので組立に入りました。
順調に文字盤取り付けまで終わり、カレンダーの早送りの確認をしたら、以前よりもクリック感が
はっきりして、いい感じ。よしよし、というわけでサブダイアル針を取り付け(12時間積算針は
四割でハカマを締めてある)、日付が変わった位置で短針を取り付け。
この時、手が滑って短針を文字盤に接触するまで押し込んでしまいました。これがケチの付き始めです。
天を仰ぎながらまた針を全部はずして組み付け直し。カレンダー早送りをしてみたら、
さっきと違う感触。いやな予感はしたものの、そのままケースに入れて、裏蓋を締めました。
できたー、と表側を見たら、秒針が止まってる!ゼンマイがほどけたのかと思って一生懸命竜頭を
回しましたが、動く気配無し。
そういえば、裏蓋を締める前にムーブメントにゴミがついてた。取ったつもりだったけど、
取れたことは確認しなかった・・・たぶんそれだ。
仕方がないのでまた裏蓋を開けて、テンプ回りを見てみる。暗くて狭いところに入った小さいゴミ
なんて見えるわけがない。テンプを外してみたけど、見つからず。
もう朝刊が配達される時刻なので、失意の内に寝ることにしました。 (つづく)