SEIKO Speed Timer 6139-7120 ①
少し熱くなりすぎて、かなり高値で落札してしまったと今では反省しています。
最初に手をつけたのは6319-7120という型番。
風防はまだきれいで、ケースの傷等もあまりないのですが文字盤の傷みが目立ちます。
風防はまだきれいで、ケースの傷等もあまりないのですが文字盤の傷みが目立ちます。
表面にはさびカビが発生し、インデックスに塗られた蓄光材は正規とは思えない状態。
また、タキメーターリングが固定されていなくてカラカラ動く状態。
本来であれば風防かテンションリングとケースの間にガタなく収まるはずだと思うのですが、
そうなっていないということは風防が外径だけ同じの非正規品である可能性が高いと思われます。
裏蓋を開けてみると、機械を押さえるウエーブリングがぼろぼろに腐食しています。
機械自体の腐食はありませんでしたが、ロードマチックの時のように全体がねずみ色に変色しています。
プッシャーのリターンスプリングもパッキングもないようです。
干支足は2本とも取れていて、文字盤と機械の間のスペーサーはかなり脆くなっています。
ジャンクとして落札しているので文句は言えませんが、結構萎えますねー。
それでも何とかなるだろうと思うので、機械の分解に入ります。
幸い、部品レベルでの傷みはないようですので部品を洗浄します。
幸い、部品レベルでの傷みはないようですので部品を洗浄します。
香箱内がけっこう汚いので、主ゼンマイを取り出してすっかりきれいにしてみることにしました。
この香箱も蓋の反対側に角穴車をネジ止めするタイプなので、
ライナーでやったような方法でゼンマイ挿入ができるからです。
まずゼンマイを取り出し、汚れをふき取ります。香箱もきれいにし、中にグリスを塗ります。
そしてライナーでやったようにペンを角穴車に貼り付け、ゼンマイを巻いていきます。
末端についている逆カーブ部を収めようと、ゼンマイを押さえていた指を少し緩めたときに悲劇が発生。
緩んだ指の隙をついて、ゼンマイがはじけました。単にはじけただけならいいのですが、
くしゃくしゃに絡まりながらはじけてしまったのです。絡まりをほどこうとしたのですが、
紐をほどくようには行かず、ついにゼンマイを切ってしまいました。
やっちまったーと思いましたが後の祭り。しばし呆然とした後、この先どうするか考えたのですが、
使えるゼンマイがどこかで手に入ればいいが、すぐには見つからないだろうから、
ジャンクムーブからゼンマイを取り出して使うことにしました。
ドナーはずっと前に壊れた時計の中華ムーブで、以前「自動巻のゼンマイはどういう形状になっているのか
香箱を開けて見てみた」というブログネタにしたやつです。
両者を比べてみると、中華ゼンマイの方が長さは短くバネ定数も小さいようですが、幅はほぼ同じなので
香箱に入れることはできそうです。
ということで、さっきのやり方でゼンマイを香箱に入れました。長さが短いこともあって、
すんなり入りました。ここで、ふと頭に浮かんだ案がありました。それは、例の近所の時計屋にゼンマイが
あるかもしれない、ということです。ダメで元々、という気持ちで店に行って聞いてみたところ、
やはり在庫はないとのこと。ただ、どこかで手に入るかもしれないので、調べてもらえることになりました。
(つづく)