CITIZEN SEVEN STAR V2 4-780116-K
約3ヶ月ぶりのシチズンです。V2はいくつかやっていますが、この時計はカレンダーに特徴が
あるので入札してみました。不動とのことでしたがその割に開始価格が高かったので、競争相手は
なく終了。
裏蓋を開けると、きれいな機械が。パッキング面のさびやくぼみに汚れ溜まりもなく、保存状態は
よかったのでしょうか。
文字盤を外したら、巨大な曜車が出てきました。
曜車を外したところです。
この写真で地板のように見えるのは、実は地板の上に被さっているカレンダー受けです。
この写真で地板のように見えるのは、実は地板の上に被さっているカレンダー受けです。
これを外すと、平らな地板に見慣れた部品が並んでいました。
どんどんばらしていきます。
きれいに見えた機械でしたが、ばらしていくと汚れているところもありました。一番ひどかったのは
きれいに見えた機械でしたが、ばらしていくと汚れているところもありました。一番ひどかったのは
三番車で、受けにくっついたまま外れませんでした。
クリーナーを吹き付けて何とか外しましたが、ホゾを見ると赤いものが。さびのようです。
クリーナーを吹き付けて何とか外しましたが、ホゾを見ると赤いものが。さびのようです。
さびの除去を試みましたが、曲げたり細くなってしまうのが怖くて、ここまでが限度でした。
香箱を開けたら、中はきれいで油も入っていたのでこのまま閉じようと思ったのですが、
蓋を取るときに外れた香箱真が入らないので(ゼンマイの内端が香箱真よりかなり細く巻かれているため)、
蓋を取るときに外れた香箱真が入らないので(ゼンマイの内端が香箱真よりかなり細く巻かれているため)、
やむを得ずゼンマイを取り出し、せっかくですから洗ってグリスアップし、香箱真をつけてから
戻しました。
さて、洗浄が終わりましたので組立です。
今回は、ある先達からアドバイスされたことを実行してみました。
いつもは、洗浄後キッチンタオルで水滴を吸い取った後にエアダスターで水を飛ばし、ドライヤーで
乾燥するという手順でしたが、今回は洗浄後アルコールに一度漬けてからキッチンタオルでアルコールを
吸い取り、ドライヤーで乾燥という手順にしました。目的は、さび防止です。
実はメタルクリーナー使用を始めた時にアルコールで水を取るのは考えたのですが、やってみたら
水滴のようなものが残ったし乾きも悪かったのでやめてしまったのでした。あの時はまだドライヤーを
使っていませんでしたからね。
それから、テンプ受けの耐震装置以外の受け石に注油する時、最近は受け石にオイルを盛ってから
穴石の枠に取り付けていました。先に取り付けてからの注油がどうもうまくいかないからです。
でもそれは針がまだ太すぎるからだろうと言われたので、リューターで針をさらに細くしてみました。
でも結果的には、やっぱりうまくいきませんでした。先に受け石をつける方が確かに楽なんですけどね。
何か対策を考えねば。
それともう一つ、巻真まわりにはD-5ではなくグリスを使った方がいいこと、輪列側を組む前に
巻真まわりを組んだ方が楽だと言われましたので、途中まで組んでから輪列側の組立に入りました。
受けは1つだけなので、かぶせる前に組み付ける部品はかなりあります。一応すべて取り付けました。
受けをかぶせてザラ回し、OKになったところでアンクルをつけました。そして注油、という段階で
この時計が角穴車ネジかないのでいつもの方法でゼンマイが巻けないことに気づきました。
そこで、また日の裏に戻ってゼンマイが巻けるまでの部品を取り付けて、また輪列側に戻りました。
そしてアンクルに注油してテンプを取り付け、自動巻の部品も取り付けて、こちら側はだいたい完了。
再度日の裏に行き、残りの部品を取り付け。この上にカレンダー受けをかぶせます。
カレンダー受けの上に残りの部品を取り付けていきます。左上にあるのが瞬時切換のための部品です。
文字盤と針をつけたらケースに入れ、タイミング調整。
完成一歩手前です。
風防に傷がおおいので、クリア塗装します。今までは風防単体の状態で塗装していましたが、作業中に
指紋を付けてしまうことがあるので今回は完成後に塗装することにしました。ベゼルにマスキングし、
さらに風防の大きさの穴を明けた紙をかぶせてクリア塗料をスプレー。これで十分乾燥させて
完成です。
大きな傷はさすがに消えませんし、尖ったものが当たるとはげてしまいますが、手間対効果は一番よいのではないかと。