BREITLING TRANSOCEAN CHRONOGRAPH
久しぶりのレビューです。今回ご紹介するのはブライトリングのトランスオーシャンクロノ。
以前からCal.01には興味があって、縁があればこれを載せた時計がほしいと思っていました。
しかし、クロノマットはどうしても好きになれませんでした。
その後、限定で搭載モデルがいくつか登場しましたが、決定打がなく眺めるだけ。
そんな時に登場したのがトランスオーシャンでした。
そもそもトランスオーシャンというのは'60-70年代に存在したモデルの名称です。
当時も三針とクロノグラフがあったそうですが、三針の方はオリジナルの雰囲気がよく再現されていて、
好きなデザインなのでかなり惹かれるものがありましたが、ただの三針で43mmはでかすぎ。
また、中身が従来の三針の機械であるのに対して価格がお高め。
オリジナルのトランスオーシャン
http://www.thoughtmedia.co.uk/watch/trans5.jpg
とはかなりちがうデザインですが、もしこちらがベースになっていたら興味の対象外になっていたと思います。
http://www.thoughtmedia.co.uk/watch/trans5.jpg
とはかなりちがうデザインですが、もしこちらがベースになっていたら興味の対象外になっていたと思います。
回転ベゼルがなくてケース形状もシンプルなため、現在のブライトリングらしさがあまり感じられず、
不満に思う人がいた反面、今までブライトリングから遠かった人たちが気にし始めた、という話を聞きます。
次に買うならこれだな、とは思っていましたが、最後の一押しをするものがなくて、ずっと見ている
だけでした。
気持ちが変わったのは、東日本大震災がきっかけです。この震災により、いつも行っている時計店の
店主の人生観が変わり、商売のやり方が少し変わりました。今まで基本は定価販売だったわけですが、
震災以降の売り上げ激減に対抗するため、全品大幅値下げを断行し、売り上げの1%を震災の義捐金として
寄付することを決定。これにより売り上げは倍増したものの、某メーカーからクレームが付いたため
値下げ幅を縮小せざるを得なくなりました。この値下げでだいぶ気持ちは揺れ動いていたのですが、
もうすぐ値引きが少なくなるよ、というのが最後の一押しとなり、購入に至ったという訳です。
だいぶイントロが長くなってしまいましたが、時計を見ていきましょう。
ケースの形状は至ってシンプルです。サイドはストレートにカットされ、これといった造形は
されていません。
平らだと、磨き前の仕上げが甘い場合はよくわかってしまいますが、その辺はさすがに
しっかり仕上げてあるようです。竜頭・プッシュボタンはナビタイマー系そのままという感じ。
文字盤は、最初に出た限定モデルでは黒に白サブダイヤル、白にアイボリーサブダイヤルでしたが、
通常モデルでは黒に黒サブダイヤル、白にダークグレーサブダイヤルという組み合わせ。私はこの中から
白にダークグレーサブダイヤルを選びました。
この文字盤、外周部が微妙にたれている(ボンベダイヤルというにはほど遠い)のですが、白だとそれが
非常にわかりにくい。その辺はちょっと残念です。黒だと少しわかります。
タキメーターの目盛りはありますが、インデックスなどもどちらかというと控えめで、過度な立体感を
追求してないところはコンセプト通りでしょうし、そこがこの時計の特徴でもあると思います。
サブダイヤルの色が真っ黒でないところも微妙にいい感じだと思います。
30分積算計の3、6、9分の目盛りが長くなっているのは、昔の電話料金が3分単位だったからだそうで。
確かに、以前やったBREITLING 1189もそうなってましたが、
それがそのまま再現されているというわけです。
ケース径が43mmで回転ベゼルではないので、文字盤は相当大きくなります。じっと見ていると、
やや寄り目がちという気もしてきます。ケース径39とか40mmくらいでバランスがちょうどよくなる
のではないでしょうか。クロノマットやスーパーオーシャンで後から小径モデルを出してますので、
トランスオーシャンでもそのうち出すのではないかと予想しますが、どうでしょうか。
裏蓋はシースルーです。興味のあった機械が見えるのはいいのですが、うっとりするような
姿ではないし、ガラスの装着感は心地のいいものではないので、ナビタイマーのようなSSバックでも
よかったかな。購入後だいぶ経った今だからそう思うのかもしれませんけど。
ブレスはオーシャンクラシックを選択しました。カーフも検討しましたが、本体が比較的シンプルなので
ストラップもシンプルだと「普通の時計」になりそうで・・・
で、このオーシャンクラシックブレスですが、長さを調整していてわかったことがあります。
今まで扱ったブレスのコマは、12時側と6時側が共用でした。しかしこのブレスは専用なんです。
だから、6時側から外して12時側に足すようなことができません。
でも実際には標準で十分長いので、不都合のある人はほとんどいないとは思います。
コマとコマの継ぎ目は割とよく合っていて、一本だったのを切ってコマにしたように見えなくも
ありません(一部ですが)。
しかしこのブレス、思ったより装着感がよくありません。
しっかり作られているのはいいのですが、腕になじむ感じが足りないような気がします。
それに、産毛が挟まって引っ張られるのでしょっちゅうちくちくします。
試しに手持ちの黒カーフストラップに替えてみたところ、装着感がかなり改善された上に
買う前に思ったほどは「普通」にはならなかったので、しばらくそのまま使っていました。
でも、黒色というのが今ひとつしっくり来ないので、茶色のものをあつらえることにしました。
その際、長尺を試してみようということで、確かな長さがわからないまま発注。
待つこと3ヶ月、届いたブラウンのストラップについては以前書いているとおりです。
まだ腕になじんでませんが、長さは十分です。
ブラックバードを買った時は、「これしかない」「これ一本で行く」と思ったものでしたが、
トランスオーシャンクロノの場合は迷いがあったのは事実です。これだけの金額なら他にも選択肢は
あるのではないか、というのが最後まで残った迷いですが、他のメーカーの候補モデルも決め手を
欠いたため、結局こいつになりました。正直なところ、今回は割引につられて「何かを買う」ことが
大前提にあったというのは間違いありませんが、でも後悔はしていません(強がりではない(^_^;)。
パワーリザーブ70時間は助かるし、カレンダー変更がいつでもOKなのは安心です。
クロノの操作感は、出始めの頃に比べると改善されているような気がしますが、手巻きの感触と
ローターの回転音(シャラシャラ音)は安っぽいと思います。
【ケース径・厚さ・重さ・ラグ幅】約43 x 14.6mm 167g(w/Ocean Classic blacelet) 22mm
【仕様】蓄光(時分針、インデックス)、カレンダー(日付、随時早送り可)
フラットサファイアクリスタル(裏)