LONGINES Cal.291
キャリバー291を載せた時計です。コンクェストの特徴を持っていますが、文字盤には書いてありません。
この機械の特徴のひとつは、カレンダー送り機構にあると思います。
通常は24時間で一周する日送り車によって一日進みます。瞬時切り換え式でなければ
だいたい22:30くらいから動き始めて0:00付近でぱちっと切り替わるものが多いですが、
この機械は23:45くらいから動き始めます。
そのメカニズムは、通常であれば日送り車と呼ばれるはずの部品が2時間40分で一周し、隣にある
9枚歯の歯車を1歯進め、最後の9歯目が回る時に日車を送る、というものです。
この構造から、針を戻してまた回して日付を送る方法が使えないということは推測できていました。
しかし先々週、久々に使おうとした際に、それを忘れて針を戻してまた回してしまいました。
日付が変わらないのでやっとそれを思い出したのですが、針を戻したせいで日付の変わる時刻が
狂ってしまいました。少々パニックに陥りましたが、その日はそのまま使用。後にわかったことですが、
パワーリザーブも24時間程度しかないことが判明。
しばらく放置していましたが、連休に入ったのでちょっといじってみました。
まず、日付の変わる時刻。針を差し直せばいいんでしょうが、それはやらずに修正を試みることに。
最初に日付が変わる時刻を記録。そこから3時間戻してから順送りして日付が変わる時刻を記録。
4時間戻し、5時間戻し等もやって、戻す量と日付の変わる時刻の変化量の相関を調べ、ほぼわかった
ところで0:00に切り換えるにはどれだけ戻せばいいか計算し、実行したところ、うまくいきました。
パワーリザーブについては、手巻き・ワインダーでの巻き上げでは40時間以上あるので、
主ゼンマイには問題ないと判断。だとすれば問題は切換車。切換車を取り出し、小瓶に溜めた
パーツクリーナーに浸してじっくり超音波洗浄。その後回転部にオイルはつけずに組み付けて
一日着用したところ、手首から外して止まるまでの時間は40時間に向上。これで安心して使えます。
しかし、針を戻すと日送りのタイミングが変わってしまうのは、私の個体だけなのでしょうか。
それとも、この機械の仕様なのでしょうか?それはあり得ないような気がするのですが・・・
組立がどこか間違っているのかもしれません。