CITIZEN CRYSTAL SEVEN 27J

今回はシチズンのクリスタルセブン27J。クリスタルセブンは今までに何個か分解したことが

ありますが、けっこう好きなモデルです。ただ、文字盤が派手に腐食してしまっているものが

多いような気がします。この個体も文字盤の外周部にかなり盛大に緑青が発生しています。
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CITIZENのロゴはこれが一番好きですね。

裏蓋を開けてみると、機械はきれいみたいですが・・・
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ケースから出してみると大変なことに。
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文字盤を表から見ても大変なことになってます。擦っても全然取れません。
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昔、同様の例ではさび取りファイバーペンで擦って緑青を落としましたが、ファイバーの跡が

目立つので、今回はメタルクリーナーの緑青分解能力を利用してみることにしました。

問題ない部分はマスキング剤で覆い、腐食部分だけ露出させます。
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これをクリーナーに入れて超音波洗浄すること10分。問題のない部分に影響を及ぼさず、緑青を

分解することに成功(一部残ってますが)。写真は後ほど。


日の裏から分解を始めます。機械にはさびは出ていないようです。輪列側も分解します。
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例によって、香箱分解前にスリップチェック。感触は悪くなく、前回のアクタスよりは渋いが

モリコートDXよりは滑らか。もしかしたら分解する必要はないかもと思いつつ、香箱のふたを取った

ところ、こんな感じでした。
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機能上は問題ないのかもしれませんが、このままふたをして使うというのはどうしても我慢が

できなかったので分解洗浄しました。ただ、まだメービス8200が届かないので使うグリスが

ありません。そこで、試みの一つとしてこんなものを使ってみました。
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かなり昔、パチポルトギーゼをいじった時に使って以来の登場です。ダイヤモンドパウダーを

含有しており、ボールベアリングのような働きをするそうで、ここに期待して香箱に使ってみます。


結果ですが、滑っている時の感触はあまり滑らかではないのですが、滑り始めのトルク変動が

あまりなく、機能的には問題ないように思えます。耐久的なことはやってみなけれはわかりませんので、

このまま組み込むことにしました。

竜頭も摩滅がひどいので交換することにしました。
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しかし、使える寸法のものがこんなものしかありませんでした。

もし将来機会があればシチズンのものに交換したいところです。
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洗浄後、パラショックをつけて注油したら巻真まわりから取り付けていきます。
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ここまでつけたらひっくり返して、輪列を取り付けていきます。
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輪列側はとりあえずここまで。
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また日の裏側に移り、残りの部品を取り付けます。
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まだ生産性への配慮が十分でなかったのか、小さなバネが7個も使われています。ここまでに

よく紛失しなかったものだと我ながら感心。

文字盤と針をつけます。まだ緑のところがありますが、また泥沼にはまるのはいやなので、このままで。
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このケースは文字盤をケースと風防で挟むタイプなので、ケース前面から機械を入れ、パリパリに

なっていたパッキングを似たサイズのOリングに替え、風防・ベゼルを取り付け。

機留めをつけて、ローターを取り付けます。
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裏蓋を閉めてできあがり。
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風防は傷の数は多くないものの、ちょっと深めのものが目立つので水ガラスを3度塗りしてみました。

まあまあきれいになった方かな。贅沢は言えません。
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