CITIZEN CUTLASS AUTOMATIC 30J

だいぶ間が空きましたが、今回はシチズンのカトラスです。
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前回のウルトラクロンとはワンピースケースつながり。

「カトラス」という名前の時計で私が見たことがあるのはこのモデルのみです。

だからカトラスはこれしかないと思っていましたが、カトラス用の風防が何種類もあることから、

実際にはたくさんの種類があると思われます。

実は、同じモデルを約2年ほど前にやっています。 ⇒過去のカトラス

ずいぶんあっさりした内容ですが・・・

状態は今回の方が悪そうです。ベゼルを外して風防を外したら、テンションリング部分で割れ、

ケース側に残ってしまいました。

何とか除去したテンションリングの下のパッキングはカチカチに硬化していて、取り外そうとしたら

ばらばらになりました。風防とパッキングを調達しなければなりませんが、文字盤の状態が

あまりよくないのでお金をかけるのは躊躇します。迷いながらも、分解を進めることにしました。

機械を取り囲むスペーサーには水侵入の跡が見られますが、機械そのものは比較的きれいです。

日の裏側からどんどん分解していきます。

カレンダーがないので、部品点数は少な目。
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続いて表側を分解していきます。ちょっと前にゲストブックで質問されたローターの外し方ですが、

ちょっと前まではラジオペンチ、最近は100mmのモンキーレンチを使って外しています。

いずれにしても掴み代がわずかなのでしっかり掴んで、じわっと力をかけ、

緩んだと思ったらあとは爪楊枝などで緩めます。

後はどんどんばらします。
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香箱もばらしました。ばらす前のスリップチェックでは悪い感触はなかったのですが、

ふたを開けてみたらぜんまいを外さずに洗って注油だけした感じだったので、
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ばらして自作8201を注油することにしました。結果は、微妙によくなったかな?という感じ。


洗浄が終わったので組み立て開始。輪列のほか、オシドリ押さえや秒針規正用舟形、

自動巻きの伝え車などを付けてから、受けをかぶせます。
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この機械の秒針規正は72/77系よりも簡素でいいような気がしますが、なぜ変わったんでしょう。

ここで日の裏に行き、巻真周りの部品を取り付け、手巻きができるようにしてから
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また表側に戻り、アンクルチェック、アンクル注油、テンプ取付をやります。
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そして自動巻きの部品を取り付けます。
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この機械は先に巻真周りをやった方がいいのですが、忘れてました。

テンワの動きを確認したら、日の裏側にまた戻り、残りの部品と文字盤を取り付けます。
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スペーサーを固定し、ローターを取り付け、ケースに入れたら針を挿します。

後はパッキングと風防を取り付けるだけなのですが、取り付ける部品がないのでこの先に進めません。

とりあえず、パッキングとテンションリングは付けず、サイズの合う汎用風防を取り付けました。
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正面から見ると文字盤の縁、スペーサーとの隙間が丸見えでかっこわるいんですが、横から見ると

ベゼル面から出る高さが低く、ベゼルの斜面から風防のカーブに自然につながる感じ。

これが意外にかっこいいんです。
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純正風防は縁から急激に立ち上がった後全面フラットな形状ですが、ドーム形状になると

印象が全然違います。これはアリと思います。防水性能は全くないですけどネ。

正面から見たときの文字盤の縁を隠すような部品を探すか作るかして対策したいと思います。