SEIKO 5 ACTUS SS 6106-7490
アクタスSSや5DXがなぜか好きで、安いこともあっていくつも落札してしまいます。今後もいっぱい同じような時計が登場すると思いますが、ご容赦ください。
さて、今回の6106-7490は、「ACTUS」のマークが金色の地になってます。こういうのは初めて見ましたし、在庫の中にももちろんありません。
文字盤がちょっと変色しているのと、ケース・風防に傷が多めの外観。
機械はきれいですが、ゼンマイはかなり巻かれているのに動かない状態です。
今回は外装から手をつけます。ガラスを磨く必要がありますが、単体にしてしまうとやりづらいので、ケースにつけたまま作業してみます。
機械はきれいですが、ゼンマイはかなり巻かれているのに動かない状態です。
今回は外装から手をつけます。ガラスを磨く必要がありますが、単体にしてしまうとやりづらいので、ケースにつけたまま作業してみます。
機械を取り出します。風防の傷はこんな感じ。何もしないわけにはいかないレベルです。
今までの両頭グラインダーを使った方法は、成功率が非常に低いため、今回新たなマスィーンを導入しました。
今までの両頭グラインダーを使った方法は、成功率が非常に低いため、今回新たなマスィーンを導入しました。
まず、金剛砂#400で傷を取ります。この風防は微妙な凸面なので、押さえる場所を変えながら、万遍なく表面を削ります。
大きな傷が消えたら、セリウムでの研磨を楽にするため、金剛砂#1000で面粗度をよくします。
画像では違いがわかりにくいかもしれませんが、触ってみると差は歴然です。
大きな傷が消えたら、セリウムでの研磨を楽にするため、金剛砂#1000で面粗度をよくします。
画像では違いがわかりにくいかもしれませんが、触ってみると差は歴然です。
そして、キイロビンとニューマスィーンで研磨していきます。30分くらい磨いたら、けっこういい感じになりました。
以前の方法に比べると、失敗のリスクはかなり低いです。割と安心して作業ができました。作業時間もそんなに変わらない感じ。
以前の方法に比べると、失敗のリスクはかなり低いです。割と安心して作業ができました。作業時間もそんなに変わらない感じ。
というか、前の方法では体が30分ももたなかったです。
エッジの欠けはどうしようもないですけどね・・・
研磨が終わったので、ケースを分解します。
この風防、再接着がされているようです。枠の内周に接着剤のはみ出しが見えます。研磨前からわかってはいましたが、ガラスがきれいになって目立つようになりました。
貼り直しをしたいところですが、分離しようとして割ってしまうのが一番怖いので、今回は見なかったことにします。
この風防、再接着がされているようです。枠の内周に接着剤のはみ出しが見えます。研磨前からわかってはいましたが、ガラスがきれいになって目立つようになりました。
貼り直しをしたいところですが、分離しようとして割ってしまうのが一番怖いので、今回は見なかったことにします。
ベゼル、ミドルケース、裏蓋をそれぞれ磨き、風防を含めて洗浄液で洗浄したのですが、洗浄液から出してびっくり。はみ出していた接着剤に洗浄液の色が移っています。
これはまいった。汚いとはいえ白い文字盤の手前にこの色は目立ちすぎる。さすがに我慢できなかったので、色のついたはみ出し部分をなんとかして除去することにしました。
これはまいった。汚いとはいえ白い文字盤の手前にこの色は目立ちすぎる。さすがに我慢できなかったので、色のついたはみ出し部分をなんとかして除去することにしました。
完全に固まる前なら除去は楽なのですが、完全に固まっているのをはがしたことはないので、恐る恐るドライバーやピンセットでつついてみました。
すると、何とかはがせそうなことがわかったので、慎重に作業を続けました。
途中、枠と風防の間の接着剤も取れてしまった箇所がいくつもあったので、もしかしたらガラスをはがせるかも?と思って裏から押したら、見事はがれました。
これで、結果的にやりたかった貼り直しができることになりました。
これで、結果的にやりたかった貼り直しができることになりました。
枠に残った接着剤のカスを取り除き、エポキシ樹脂ボンドを塗布します。後のことを考えて、大胆にやります。そしてガラスを貼り付けてしっかり押し付けます。
重しを乗せて硬化を待つのが定石ですが、今回は手抜きで、重石なしでこのまま固まるまで放置します。
今の季節だと、2日くらいは放置した方がいいかもしれません。暖房が常に効いているような環境でしたら一日でいいかも。つついてみて、ぐにゃっとしなければOKです。
ドライバー、ピンセットなどで内側にはみ出た接着剤をじわーっとはがします。2,3ミリはがれたら、そこをピンセットでつまんで、ゆっくり引っ張ります。
意外にきれいにはがれます。途中で切れてしまったら、また2,3ミリはがしてから引っ張ります。接着剤がちょっとだけ残ってしまったところは、パーツクリーナーやアルコールなどで拭けば取れます。
今回はまだ柔らかすぎたかもしれません。あまりきれいにはがれませんでした。
ということで、外装は完了しました。次は機械の分解掃除ですが、ここまでで、一度にアップできる画像数の半分を費やしてしまいました。
同じ機械は今までいくつもありましたし、今後もたくさん出てきますので、二回に分けるまでもないということで、分解組立については端折りたいと思います。
機械はきれいですが、油は乾ききっているようで、香箱まわりはこんな感じ。
香箱の中も乾いているので、ばらしてグリスを塗り直すことにします。
香箱の中も乾いているので、ばらしてグリスを塗り直すことにします。
6106Cはマジックレバーなので、パーツクリーナーで洗浄しても問題は出ないはずですが、気分的によろしくないのでベンジンで洗浄しました。
洗浄後、ダイヤフィックス、ダイヤショックを付けます。ダイヤフィックスはいまだに触りたくないのですが、中が汚れていたのでやむを得ず分解しました。
外すのは何とかなりましたが、組み付け時に片方がうまくいかず、地板から離れて飛んで行ってしまいました。
それでも、すぐ見つかって何とかなったんですが。
次に、巻真まわりの部品を取り付けました。写真には小鉄車が写っていますが、ひっくり返すと落ちるので、外しておきました。
表側に行って、輪列を取り付けます。
受けをかぶせ、ザラ回しがOKなのでアンクル、テンプを付けていきます。
自動巻きのモジュールを組み立て、取り付けます。
日の裏に戻って、カレンダー系の部品を取り付けます。
スペーサーを取り付け、文字盤を取り付けて針を挿します。
表側に行って、輪列を取り付けます。
受けをかぶせ、ザラ回しがOKなのでアンクル、テンプを付けていきます。
自動巻きのモジュールを組み立て、取り付けます。
日の裏に戻って、カレンダー系の部品を取り付けます。
スペーサーを取り付け、文字盤を取り付けて針を挿します。
ここでケースに入れるために巻真を抜いたのですが、なぜかオシドリが外れちゃったみたい・・・
ちゃんと組んであれば、そう簡単に外れるわけはないので、組み付けをミスったんでしょう。泣く泣く文字盤を外してやり直しました。
そしてケースに入れて、ローターをつけて
完成しました。
完成しました。
ACTUSロゴの地が金色に見えたのは、たまたま枠の中だけ茶色に変色したようにも思えます。多分そうでしょうね。
今回は、新しい方法でガラス風防を研磨しましたが、以前の方法よりはだいぶリスクが減りました。やっていてヒヤヒヤ感がありません。
やっと時代に追いついたって感じですかねw