SEIKO LORD MATIC 25J 5606-5050

久しぶりのロードマチックです。よくある感じに汚れた時計です。文字盤の、見返しの接しているところが結構腐食してます。

風防には、深いものはなさそうですが、それなりに傷がついています。
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裏蓋は普通の円形スクリューバック。楕円風防だと、めんどくさい構造のものがあったりします。
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カレンダーの早送りは、お約束です。曜日も動きません。

この時計を落札する気になったのは、楕円風防がこいつに使えないかと思ったからですが、世の中そんなに甘くありませんでした。

形状もサイズも全然違いました。

そうは言っても、この時計自体は嫌いじゃありませんので、きれいにしてやりたいと思います。
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まず、ケースから機械を取り出します。文字盤上の楕円の黒い腐食は残念ですが、表面のフィルムの下で起きていますのでどうしようもありません。
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日の裏側から分解していきます。56系は何度もやっているので端折ります。巻真まわりが複雑な機械です。
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次に表側です。
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輪列です。
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ロードマチックは23Jと25Jがありますが、違いは黄色丸の部品に石があるかないかだけです。

香箱は、チェックの結果、香箱真まわりのみ洗浄することにしました。
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洗浄後、組立開始です。地板にダイヤショックを付けて注油し、輪列を乗せます。切替車等も忘れずに取り付けます。
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一番受けにも注油し、伝え車を組み付けて
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かぶせ、ザラ回しがOKなので角穴車、アンクル、一番仲介車、テンプを付けていきます。
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次に日の裏です。一番面倒な巻真まわりをやっつけます。
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壊れた揺動レバーの修理には、今回もスコッチプレミアゴールドを使用。一度は期待外れと思ったものの、その後別の用途で使ったところ、何日も経つとけっこう固くなることがわかったためです。

瞬間接着剤はしっかりくっつきますが、万が一剥がれるとスカスカになり、再修理が必要となります。これに対してゴム系接着剤は弾力と粘着性があるため、剥がれにくいのではないか。

もし剥がれても抵抗が残り、機能が長く維持できるのではないか。そんな期待を持っています。


後は日車、曜車だけです。
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日車、曜車を取り付けて動作確認をします。早送りできることは確認しました。
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今回、風防は深い傷がないように見えたので、金剛砂での前処理をせずに包丁研ぎ機を使いましたが、やっぱ前処理は必要ですわ。

作業時間はそれほど変わらないのですが、いつまでたっても傷が小さくなる気配がなくて、気持ちが萎えちゃうんです。

次回からは必ず前処理するぞっと。

また、風防・ベゼルそれぞれ研磨方法が違うので、分解する必要がありますが、風防とベゼルの間に汚れが入り込んでいる状態だったので、裏から軽く押しただけで外れました。

別々に処理してエポキシボンドで再接着。余分なボンドは除去して完了。

ミドルケースはてかっている部分にスポンジやすりでヘアラインを入れて、裏蓋は周囲をポリッシュ、中央の平らなところは同心円状のヘアラインを入れました。

そんなケースに機械を入れて
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(ケースがなんだか汚いな・・・)

完成です。
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56系はいい機械だと思うんですけど、揺動レバーが致命的ですね。日の目を見なかった補修用部品を復活させるか、自分で作るか・・・

とりあえず、瞬間接着剤とスコッチプレミアゴールドの耐久性勝負をやってみようかな。