RADO Golden Horse 57Jewels

書き出しがマンネリですが、いい案が浮かばないのでいつも通りに。

今回はラドーです。昭和4,50年代のクイズ番組で賞品になってましたので、50才前後の方でしたら時計に興味がなくてもラドー、テクノス、ウォルサムの名前は記憶のどこかにこびりついているのではないでしょうか。

そのラドーですが、ラドーと言えばゴールデンホース。私はそう思っています。

そのゴールデンホースが初めて登場したのが1958年。前の年にそれまでの「Schlup & Co.」から「Rado Watch Co.,LTD.」に社名変更したのを記念して、57石仕様で登場しました。

ルビーが57個使われていても機能的には意味がないのですが、数字には意味があるということですね。

57石以外の多石品には93石仕様があるらしいですが、現物は見たことがありません。

93という数字にどんな意味があるか気になるところですが・・・

一番目にするのが30石仕様で、この辺まではASの機械を採用しているようです。

その他、文字盤に石数が書いてないものもよく見ますが、これはだいたいETAの25石の機械を積んでいるようですね。


ということで、約一か月ぶりのラドーは久しぶりのゴールデンホース。57石です。

57石のゴールデンホースと言えば、中身が57石じゃなかったという悲しい過去があります。

でも、このデザインが好きで、思い出したように落札してしまいます。

今回の個体は、それほど悪い状態ではありません。ラグの内側がちょっと盛り上がったりしてはいますが、何とかなるでしょう。
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光源の関係でゴールドっぽいですが、ステンレスです。文字盤は、焼けなのかどうかわかりませんが、ちょっと変色しています。

機械は、これまた久しぶりのASの1701です。
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ちょっとピンボケで済みませんが、サビや汚れはあまりなさそうです。

機械をケースから出してみましたら、文字盤が意外に汚れていました。
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茶色の点々は、おそらく侵入した水気が結露したものでしょう。

文字盤には触らない方がいいことは何度も経験していますが、何とかしたい・・・ということでやっちゃいましたよ。

結果は後ほど。


文字盤を外しました。なんだか懐かしい感じです。それでは日の裏から分解していきます。
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日車の躍制レバーバネが、日車押さえではなく日付の瞬時送りのバネで押さえられているので、日車を外した時に飛んでいくことはありません。
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でも、瞬時送りバネを外した時に飛ばしちゃうんですよね。(^_^;


次に表側です。
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自動巻きのブリッジを外します。裏側に部品が組み付けられています(押さえ板を外してあります)。
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同じ切換車を2個使った両方向巻き上げ式です。

輪列です。特徴はあまりないですね。
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これが57石の証。合計32個のルビーが3つの部品に埋め込まれています。
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オリエントのグランプリのように、裏蓋を開けたらルビーがいっぱい、ならまだいいんですが、こいつはかなり分解を進めないとお目にかかれません。

香箱チェックでは油切れのような滑り方でした。AS1701の香箱は、シチズンETAほど神経質ではなかったと記憶していますので、ゼンマイを取りし出して洗うことにします。
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洗浄が終わったところで組み立てを開始します。緩衝装置と保油装置を付けて注油したら、輪列を載せる前にルビーのいっぱいついた部品を地板に組み付けます。
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大きい方の歯車についている鋸歯は、同じような歯を持つ香箱真と組み合わされて自動巻きのコハゼの役目をしています。

一気にテンプまで付いちゃいました。ここまでトラブルはありません。
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日の裏側も、部品数は多くないので一気に組み付けます。
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日車を取り付けて
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日車押さえを付けます
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ケースに入れて
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自動巻きブリッジ、ローターを取り付けて(露出エラーはご容赦ください)
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いつものブレスをつけて完成。
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文字盤、茶色の点々は取れましたが、一部塗装も剥げてしまいました。致命的とまでは行きませんが、やっぱりやっちゃいました・・・


そんなことがあっても、ゴールデンホースはいいですね。