VOSTOK EUROPE DUAL TIME GAZ-14

 たまたまインターネットで見つけた時計である。このブランド全体としては食指が動く時計はほとんどなかったが、2つだけ気になるものがあった。そのうちの一つがこれだ。旧ソ連のリムジンをイメージしているというが、この時計からそのリムジンを連想するのには無理がある。まあ、そんなイメージの話はいいとして、GMT機能が付いてインナーベゼルが回転して、機械式でこの値段ならいいかも、ということで購入した。でっかい竜頭が二つあるのは好きではなかったが、やむを得ない。
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 届いた時計の仕様を確認していくと、こいつはかなりとほほの領域に近いところに位置していることがわかった。まずGMT機能だが、期待した機構ではなく、単独調整できない単なる24時間針と回転インナーベゼルの組み合わせ。その24時間針は、メインの時針がインデックスぴったりを差していてもインナーベゼルのインデックスと微妙にずれている。それから、ハック機能がない。ロービート(18000振動くらいか?)。パワーリザーブは31時間。日付はクイックチェンジができない。変えるには、まず普通に夜の12時まで時間を進める。さらに進めるには、夜8時40分くらい(かちっと手応えを感じるまで)に戻してからまた12時まで進める。もっと変えたい場合は、この作業を繰り返す。さすが旧ソ連。毎日ちゃんと使いなさいという強い意志が感じられる。
 まあ毎日使っていても、小の月から大の月に変わるときにはこれをやらなければならないんだけどね。
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 そんな時計ではあるが評価できるのは、手巻きができて、しかもトルクが軽いこと。ベゼル径に対して大きい風防が大口径レンズを彷彿とさせること(ここは極端に主観的部分だが)。文字盤がサンレイ仕上げで同心円の模様もあったりして比較的きれいなこと。なんちゃってGMTだが、針の先すぐのところにインナーベゼルがあるので、第二時間がわかりやすいこと。賛否両論ありそうな色と模様のベルトは、一般的なものより長いので、腕の太い俺は助かること。切り替わる時間にばらつきはあるが、0時から1分以内でのデイトジャスト。それから、緩急針に角があるので調整の目安になること(B,C級時計は+-表示だけしかないものばかりなので)。
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 日付がぱちんと変わるとき、24時間針もぱちんと動いて0時になる。カレンダー板と24時間針はメカ的につながっているかもしれない。構造を調べてみるとおもしろそうだ。

 あまり好きではないはずのドーフィンハンドだが、やや細身のせいかあるいは蓄光材の面積が多いせいか、気にならない。

【ベゼル径・厚さ・重さ】約43 × 約13mm 約90g
【ムーブメント】自動巻(手巻き可)秒針停止機能なし 18000振動
【仕様】カレンダー(日付、クイックチェンジ機能なし) 5気圧防水 蓄光(インデックス、時針、分針)回転インナーベゼルと24時間針による第二時間帯表示