IWC PORTUGUESE CHRONO

 今、我が家の怪獣は、訳あって母怪獣と一緒に里帰りしている。怪獣のいない休日、やりたいことはいろいろあるが、とりあえず服を買いに行くことにした。ユニクロでもいいが、あそこはデザイン・サイズの面でおじさんが着られる服があまりない。そこでちょっと足を伸ばして、車で1時間ほどのところにあるアウトレットモールに行った。

 いっぱい店があるから、何かあるだろうと思ったが、あまりなかった。とりあえずエディーバウアーで半袖シャツとTシャツ、ズボンを買った。
 その後、一通り見て回ったが、シチズンセイコー、カシオ(G-SHOCKのみ)の店があった。シチズンセイコーではしっかり「B級品です」と明示してあった。アウトレットだからB級品なのは暗黙の了解があるはずだけど、明示してあるのはここくらいじゃないだろうか。

 アウトレットを出て、すぐそこにある大きめの時計屋に行った。今、IWCポルトギーゼがかなり気になっているので、それの実物を見に行くのが目的。3種類出してもらったが、第一候補は白文字盤に青針のもの。金針もいいのだが、クロノ針だけが青なのが、個人的にはちよっと減点。それにしても、この時計も相当な側時計だよね。中はいくら手を加えてあるとは言えETAでしょ。特別な機能がある訳じゃないのに、わがブラックバードより高いんだから。クロコベルト同士で比較すれば、もっと差は広がる。それでもやっぱり気になるんだ。こういう消費者が、メーカーを支えているわけだ。

 ついでに、ビッグパイロットを見せてもらった。パチで持っているやつだ。ケースがプラチナなのでずっしりと重い。また、ばっと見で、なんだか違うというのが伝わってくる。よく見てみると、アップライドインデックスの夜光塗料がパチは枠から盛り上がっているが、本物は枠より微妙に低く、なおかつ真っ平らに充填されている。針がぴかぴかに光っている。わがパチはつや消し黒。かつカレンダーの窓が小さい。数字が小さい。本物は拡大レンズなんかなかったような記憶。ベルトは見た目はそれほど高級感はなかったが、とても柔らかくしなやかだった。
 いずれにしろ、ケース代がほとんどを占める定価300万超の時計は買えない。

 その後、ぐるっと店内を一通り見せてもらい、最後にブライトリングのコーナーに来た。ここだけ宣伝用の映像を流している。B01の話をしていたら、たまたまその映像が流れた。もう一度見たいと思ったが、40分くらいのビデオらしい。ちょっと考えたが、40分待ってでももう一度見たい。そこで、モニターの前でじっと待つ。

 最初に応対してくれた店員さんがずっとつきあってくれている。他の客は少ないが、申し訳ないので「勝手に見てますから」と言っても「大丈夫です」と言ってそばを離れない。怪しまれているのかな。まあ、それでもいい。

 そのうちアイスコーヒーを持ってきて、座りながら見ろとソファを勧めてくれる。恐縮しながらコーヒーをちびちび飲み干す。ビデオはまだ一周しない。そのうち、今度はリンゴジュースが出てきた。ほとんど一見の客にここまでしてくれるのか。
 リンゴジュースを飲み終える頃、ようやくB01の話になった。そこでおもむろに立ち上がり、モニターに近づいて凝視する。音声がほとんど聞こえないので、映像だけで理解しなければならないのだが、知りたかったところは結局よくわからなかった。さすがにもう一度見る気にはならなかったので、そこでおいとますることにした。自分が座っていたソファの前のテーブルには、3杯目の飲み物が置かれていた。