続・B01の謎

 ちょっと前に、ブライトリングの新ムーヴメントB01のカレンダー早送りについて書いたが、その後裏が取れたので書いておくことにする。

 東京に出る機会があったので、スタジオブライトリングに行ってまとめて用件を済ませることにした。まずはブラックバードのブレス洗浄。作業の間、アイスコーヒーを2杯飲みながら「タイムオブレジェンド」をめくる。ブライトリングジャパンが企画した、社史みたいなものである。この本で調べたかったことは、自分のオールドナビタイマーがいつのモデルかということだ。ウェブをいろいろ見ても、針や文字盤が違う物があってよくわからなかったからだ。

 その結果、復活した最初のナビタイマーが「オールドナビタイマー」、一度ディスコンになって再復活したのが「オールドナビタイマーII」、そのモデルチェンジ版が私の持っている「オールドナビタイマー」ということになるらしい。現行ナビタイマーの直前のモデルである。

 それから、気になっていた風防の非コーティング部分についても、当時すべてそうだったのか尋ねたところ、風防の周囲が未コートなのはあり得ない、おそらくベゼル磨きのときに風防にマスキングとして貼ったシールが微妙に小さく、コートを除去してしまったのでしょうということで、おかしな素性ではないことがわかった。風防の価格は3万円とのことなので、2回目のOHあたりで交換してもいいだろう。

 さて、最後にメインとも言える、一番気になっていたB01の構造について質問してみたら、明快に回答してくれた。早送り時の日送り車の動きはだいたい販促ビデオを見て想像していた通りだったが、具体的な構造について今日初めてわかった。
 下の絵が、見せてもらった動画の記憶を呼び覚ましながら起こしたスケッチである。部品名称を含め、現物とは違う点および稚拙なスケッチであることをご了解の上ご覧いただきたい。

イメージ 1

 日送り車の上には日送り板が載っている。日送り板には円弧状の長穴があり、ここに軸Bが通っている。日送り板は軸Aを支点にして戻りバネで長穴の右端が軸Bに当たるよう押しつけられている。この状態で日送り車は時計方向に一日一周し、爪がカレンダー板の内爪を押すことで日付が変わる。
 もし、爪がカレンダー板の内爪にかかっているときに早送りをしようとすると、爪がカレンダー板の内爪で押され、日送り板は軸Aを支点にして戻りバネを押し戻しながら軸Bが長穴に沿って左端に近づくまで回転し、カレンダー板の内爪を乗り越える。というメカニズムである。

 もっとごちゃごちゃしたメカニズムを予想していたけれど、日送り車ひとつが複雑になっているだけだった。一部品で完結しているのは当たり前と言えば当たり前だが、さすが。