低反射コーティング

 Yahooのブログは、書き込みを終えると他の人が書いた記事へのリンクが表示されることがある。興味を引くものは見ているが、そこに訪れた他の人のブログも、時計関連だと見に行ったりする。
 そういう流れで、ある時計屋さんのブログに行き着いたのだが、その中に低反射コーティングについての記事があった(その記事中では無反射コーティングと表記)。内容を要約すると、コーティングは傷だらけになりやすく、そうなると視認性を著しく阻害し外観品質も低下するので不要なのではないか、知り合いの業界関係者も不要と断言している、コーティングは店頭や宣伝できれいに見せるためだけのものではないか、という感じだ。
 また、「光学レンズのコーティングと同じ」とも書いてあったが、そちらは光学性能最優先で考えられているのに対し、時計風防のコーティングは耐久性も考慮されているはずだ。パチの風防にコーティングしてもらったときはIAD加工というものをすると言っていた(どれくらい強度が違うのかは私もよくわからないが)。

 この記事を読んで、おもしろいなあと思った。過去の書き込みを見ていただけばわかる通り、私は「コーティングマンセー」派である。その時計屋さんと観点が正反対だ。
 上記の時計屋さんはコーティングの効果が視認性upというより宣伝・広告が目的なのではないかと考えておられ、傷が付きやすく視認性が悪化するというコーティングの脆弱性を問題視しているのに対し、私は日常の使用における低反射コーティングのメリットを最優先に考え、傷がひどくなった場合は再コーティングまたは風防交換も視野に入れている。ここまで正反対の考えもあるんだなあと、妙に感心してしまった。

 もしかしたら、その時計屋さんの考え方の方が一般的かもしれないし、傷が付きやすく視認性が悪くなる宿命を持つ今のコーティングの問題は私も認識している。どちらがいいとか悪いとかの話ではなく考え方の違いだけなんだけど、その違いが新鮮だったのでちょっと書いてみた。

 その時計屋さんと同じ思想を、メーカーとして実践しているのがロレックスなんだろう。実際、風防が平板であれば、コーティングがなくてもあまり反射が気にならないというのは実感している。ほとんどの製品が平板風防のロレックスなら、ユーザーから不満が出ないのも納得できる。

 その時計屋さん、コーティングできる知人がいるとのことなので、安くやってもらえるならお願いしたいと本気で考えている。