ORIENT ORIENTSTAR ROYAL WZ0021FC

 ほとんど衝動的入札であった。どうして入札したのかよく覚えていない。当然、競争相手はいないから、そのまま落札である。定価5~6万円のオリエントは持っているが、10万円を超えると造りはどう変わるのか、前から興味はあったが、その辺が影響していたのかもしれない。

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 こいつはちょっと前にモデルチェンジがあったようで、旧モデル。現行は裏スケで手巻き可能になって若干値上がりした。モデル名がオリエントスターロイヤルからロイヤルオリエントにランクアップ?し、外観上も文字盤のORIENT STAR ROYALのロゴがROYAL ORIENTに変わり、OSマークが王冠マークに変更されているようだ。バックルのマークも同様に変わっている。
 王冠マークの他に楕円の中にRが入ったROマークもあるらしい。王冠マークになるまでの過渡的なマークだったようだが、詳しいことはわからない。

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裏蓋は透けてない代わりにいわゆる向かい獅子マークが彫り込まれている

 「手巻き可」はちょっと欲しかったが、マークはOSでよかった。王冠マークはあまりかっこよく見えないし、たこさんマークとか大○隆○のイニシャルとかいろいろ揶揄されているのを見たことがあるからだ。

 私の腕は高さ55mmくらいの時計でも一応はみ出さない程度の太さだが、自然に見える時計の大きさというのは、デザインにもよるので一概には言えないけれど、目安として幅40mmくらいがベストと自分では思っている。反対に小さい方では、エクスプローラーあたりが限界かな、という感じなので幅36mmが下限の目安と考えているが、この時計の大きさはこの自分基準の下限になる。腕につけてみると、小振りな印象を受けるが、鏡に全身を映してみると時計が小さいという感じはない。

 オリエントのブレスは太腕にやさしく、他に所有する4本はいずれもコマを一つ抜いている。この時計も全コマのままだと少し緩い。なので一つコマを抜いてみたが、今度はきつすぎて使えない。バックルの調整代もほとんどないので緩目のまま使うしかない。

 が、翌日になってコマの間隔が狭いところがあることに気づいた。あれっ?と思ってよく見ると、長さが短いコマが2個ある。最後はこれで調整すればいいわけだ。説明書には書いてないが、さすがロイヤル。コストをかけている。

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 さて、すでに同じような時計(WZ0331FD) を持っているので比較してみよう。WZ0331FD の定価は5万円弱なので、約3倍の価格差だ。それだけの違いはあるだろうか。

ブレス
 デザインはそっくりだが、サイド面の仕上げが0331はヘアライン、0021はポリッシュ。また0331では弓環に安っぽさを感じたが、0021ではそんな感じはない。バックルのOSマークも、0331はドカンとプレスで一発って感じだが、0021ではくぼみは梨地、OSの文字はポリッシュとなっており、明らかに違う。

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サイドビュー

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弓環

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バックル

風防
 0331は平面で、裏側のみ低反射コーティング処理。0021はわずかにふくらんだドーム型風防で両面コーティングされている。光源の反射がブライトリングより青色っぽく暗いのは、コーティングの性能が本来の意味で優れているからだろう。

文字盤
 光沢のある文字盤は、平面度が悪いと反射光が歪むので目立つ。0331はがんばっているけれどカレンダー窓やロゴの周囲、パワリザメーターの扇部分にひずみが見えるが、0021は気になる歪みがほとんどない。また、インデックス内側の円内は光の角度によって浮き出る模様が仕込まれている。
 インデックス自体もよく磨いてあり、かつ反射光がよく目に届くような形状になっているため、華やかな感じがする。0331はインデックスの頂上に白いラインを入れてあるため、あまり光って見えない。差別化なのか、安定した視認性のためなのか、設計者の真の意図はわからない。

ムーブメント
 0331が+25~-15という精度なのに対し、0021は+15~-5となっているが、これは調整に時間をかけているだけで、機械としての精度はかわらないと思われる。事実、いつもの「精度の癖」を調べてみると、動態と静態の差がむしろ0331より大きいようだ。
 それでも秒針停止機能が付いているので、そこはグッド。
 パワーリザーブ40時間となっているが、フル巻き上げから動作停止までは46時間ほど。

【ベゼル径・厚さ・重さ】約36× 14mm 138g
【ムーブメント】自動巻(手巻き不可)秒針停止機能 21600振動
【仕様】パワーリザーブメーター、カレンダー、10気圧防水、両面低反射コーティング ドーム形サファイアクリスタル風防

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