オールドナビタイマーの精度

 以前、途中まで書いたオールドナビタイマーの精度について書き直すことにする。

 以前に一度オールドナビタイマーの「精度の癖」を記録した時は、着用時+16秒程度で平置き+4秒程度だったが、次に使ったときにもう少し測定間隔を短くしてみたところ、さらに詳しい傾向が見えてきた。ゼンマイが完全に巻き上がっていないときの日差はほとんど0で、巻き上がった状態が続いている時は+30秒/日以上、場合によってはそれ以上進むことがある。腕から外した時を起点にすると、3時間後くらいには+2秒になっているが、さらに8時間経過しても+2秒のまま。
 つまり、ゼンマイが巻き上がった状態が維持されていると日差+30秒くらいの勢いで進み、着用をやめて2,3時間くらい経つとほぼ日差0で推移する。

 こういう現象の原因と対策が、時計に詳しい人ならいろいろわかるのではないかと思うが、私は精一杯考えて、ようやく一つ思いついた。自信はあまりないのだけれど・・・

 私の推測は、ゼンマイのスリップトルクが大きすぎるためゼンマイを巻き上げ切った状態でローターが回ると、ローターの回転トルクが直接輪列にかかって猛烈に進むのでは・・・ということ。完全に巻き上がった後にスリップするのか、巻き上がり切る前からスリップを始めるのが普通なのか、その辺もよく知らないのだけど、とにかく巻き上がり切る少し前あたりの状態が維持できればよいのではないかと推測している。

 スタジオブライトリングに電話して聞いてみたら、具体的なことは話してくれなかったけれど「調整は可能」とのことだったので一安心はしているが、まだOHの時期ではないから調整は先の話だ。
 では、OHまではどうするのか。選択肢は3つあると思う。

1.このまま使う
2.タイミングをもう少し遅らせて、着用時のプラスと平置き時のマイナスで相殺する
3.OHで調整してもらう
4.ローターのベアリングにグリスをつけて、ローターの回転を抑制する

一般的には上の選択肢の順番が優先順位になると思うが、気持ちは4番に傾いている。この方法がうまくいけば、巻き上げ効率は落ちるけど誤差の変動が抑えられるし、ローターの逆回転も抑制されるので振動がかなり減るはずだ。不都合が発生したらローターだけを洗浄すればいい。
 ただ、グリスが少ないとあまり意味がないし、多すぎると使っていても止まってしまう可能性があるから、調整が難しそう。また、グリスが経年変化で分離し、さらさら成分があちこちに回ってしまうことが考えられるのも怖い。

 この時計はまだ販売店の保証期間が残っているが、前オーナーは自分が店に連絡するのは拒否(ただし名前を出すのは可)しているし、保証書には名義が変わったら保証は無効になると書いてあるから、タダで済ませるのは不可能と思われる。

 でもその前に、今回の事象が保証対象になるのかというのがあやしい。確かに進むときは猛烈に進むが、一日単位で誤差を計れば10秒程度。こんなものですと言われて終了のような気がする。

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