中華7751の分解組立-3

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さて、クロノグラフ側がだいたい終わったのでひっくり返して竜頭周り、12時間積算計周り、

カレンダー機構を取り付けていきます。

分解時の写真はあるし、ETAの資料もあるので安心していたのですが、実際には資料では読み取れない

組み方がこの中華7751にはあります。

カレンダーが一通り組み終わった後、針送りをしたところ、分針の筒は回っているのに時針の筒は

動いていない。しかも竜頭を回すトルクはかなり高く、とても正常とは言えない。カレンダー受けの

ネジをゆるめると動くので、どこかで干渉しているわけですが、それがわかるまで数分かかりました。
イメージ 1
写真の丸で囲んである部分の位置関係を見てください。右の歯車が真ん中の歯車のへその下にあります。

これに気づかず、単に上から積み上げていっただけだったので、カレンダー受けを締め込んだときに

この部分が干渉してしまったのでした。

こんな感じの、7750とは違う組み付け方をする部分が他にもありました。

それから、受けや押さえを締め付けるときに、ちょっと手間取っている間に下のばねがずれて

しまったのに気づかず締め込んでしまい、やり直しというのが何度もありました。
イメージ 2



そんな過程をへて、ようやく文字盤の取り付けです。

まず針のクリーニングと曲がった12時間積算針の修正をします。

汚れは取れますが、傷は取れませんね。曲がった針も平らには戻らず、残念ですが仕方がありません。

最終的にはだいたい満足できる感じで取り付けを完了しましたが、当然のことながら

一度でここに至ったわけではなく、針をつけた後に曜日早送りレバーが戻らない

(戻りバネが外れて受けとの間に挟まっていた)とか、センター針と24時間針が1時間以上

ずれているとか、14日に月が変わるとかいろいろ不具合があって、やり直しはしています。

そして動作確認。カレンダーの早送り、センター針を回しての切り替わり等、問題ないことを

確認。クロノについては、部品トラブルがあるので動かすのはやめました。

白く汚れていた24時間針もきれいになりました。
イメージ 3


そして、とりあえずケーシング。この際、二段引き状態のまま竜頭を抜いてしまったので、

ケースをかぶせてから竜頭を挿すときになかなか入らず、ヒヤリとしましたが、何とか入りました。

竜頭を挿してムーブメントを固定して、試しにゼンマイを巻いて時計を軽く振ってみました。

正常ならテンプが回るはずですが、上述の竜頭挿しトラブルの時にハック用のロックレバーが

ずれてしまったか? あるいは、仮止めのテンプ受けがこれまでの作業で浮いて、その時に

天真が外れてしまったか? いずれにしても、もう今日のところは後戻りする気力がないので、

あとは交換部品が手に入ってから続きをやることにしました。

1. 今回壊した部品・・・2 function lock
2. 紛失した部品・・・カム固定ネジ
3. 長さ不足のため交換する部品・・・テンプ受け固定ネジ

3. だけでも早くほしいと思ったので、存在は知っていたけど入ったことがない、でも

いつかは入ってみたいと思っていた近所の時計屋に行ってみました。

店内には昭和の香りがぷんぷん漂っています。取り扱い品目はめがね、ネックレス類、時計で、

時計はだいたい3万円程度までのもの。機械式が多いようです。店のほぼ中央に

作業台があり、修理もしているようです。もしかしたら、という期待をしつつ、

「ETA7751のコピームーブに使うネジなんですけど」と伝えたら「日本の時計には使ってないよね」

とか「ストップウォッチがついたやつ?」みたいな反応だけど、一生懸命探してくれました。

部品を種類別に分類してあるわけではなく、ムーブメントごとにばらばらの状態で小さなケースに

収めてストックしてあるようで、この中から目指すネジを探すのは相当時間がかかると思いました。

結局見つかりませんでしたが、丁重にお礼を言って店を出ました。

次の手段は某時計材料店に問い合わせのメール送信。ここは今まで2回ほど問い合わせを

したことがありますが、レスポンスはあまりよくなかった記憶があります。

今回もあまり期待していなかったのですが、土日を挟み3日後に「テンプ受けネジのみ在庫なし、

他はあり」との返事が来ました。値段も予想より安かったのですぐ買いますと返事をしました。

この週末までに届くかどうか微妙なタイミングですが、はやる気持ちを抑え、部品の入荷を待ちましょう。

頼んだのは当然本物の7751用部品ですから、中華7751に使える保証はありません。賭ですね。

あ、分解予定だったベゼルは、手持ちの道具ではどうしても外れないので今回はあきらめました。


つづく