SEIKO Skyliner 6222-8000

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php
あけましておめでとうございます。今年も時計ネタ一本でがんばっていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

さて、毎週のように「ジャンク扱い品」を手に入れております。今回はセイコーのスカイライナーです。
イメージ 1
イメージ 2

一応動いていますが、テンプの動きが頼りないのと、竜頭を引いて戻したときの切り替わりが悪いという

2点がこの時計の不具合です。あとは、今まで見た中で一番汚い時計です。茶色いさびなのか垢なのか

わからんものがあちこちにこびりついています。
イメージ 3



では分解開始です。裏蓋を開けると姿を現したムーブメントは外観に比べるとかなりきれいです。
イメージ 4


竜頭を抜いて機留めを外したらムーブメントが出てくるかと思ったら出てこないので、これも前から

出すのか、と思ってベゼルを外しました。もちろん取り出せましたが、本来は裏蓋側から外れるようです。

でもベゼルを外したのは無駄ではなく、ベゼルとケースの間にたまった汚れをしっかり取るには、

いずれにせよベゼルを外す必要があったのです。

機械が出てきたら針を外して文字盤を外して。この文字盤も大変きれいで驚きました。外側があれだけ

汚いのに中がきれいなのは、まだ防水がしっかり効いていたということでしょう。
イメージ 5


機械の分解は、三針手巻きで早送りできないカレンダー付きということで、比較的楽でした。
イメージ 6
イメージ 7


香箱周辺に汚れが目立ちますので、中が大変なことになっているのではないかと心配でしたが、

今までよりはちょっと汚れていた程度でした。
イメージ 8
イメージ 9


分解の後は洗浄し、組立です。この時計もガンギ車が決まりにくいことが予想されましたが、ライトを

当てなくてもルビーの向こうにホゾが見えたので、受けの取り付けはすんなり行きました。

その後、裏蓋側はほとんど問題なく組み上げたので日の裏側に移ります。こちらも、カレンダーの早送り

機構がないので、部品が少なくて楽でした。ただ、組み順を間違えて何度かやり直しはしました。

ところで、この部品はカレンダー送り車ですが、単に車に送り爪がついただけではなくて、逆方向に

力がかかったときの逃げ機構がついています。早送り機構がないので、この逃げは不要だと思うのですが。

早送りできる機種の部品を流用? それとも針を逆回ししたときに日付が戻らないようにするため?

ここで思いついたのは、竜頭操作での早送りができない代わり、針を前日の午後9時くらいまで戻して

また時計方向に回すことで日付を進められるようにするためかな?ってことです。やってみると

問題なくできましたけど、真実やいかに?


さて今回は外装もちょっと時間をかけて手入れをしてみます。ケースのラグ部分はずいぶん乱暴に

扱われたようで、このままでは見た目も安全上もよろしくないです。
イメージ 10
イメージ 11

そこで、バリのように飛び出した部分を削り、磨きました。深めの傷は残っていますが、

こんなもんで十分でしょう。
イメージ 12
イメージ 13


あとは風防をサンドペーパー処理後コンパウンド仕上げで傷取りし、ベゼルとともにケースに

はめ込んで、ムーブメントを入れて完成。そこそこきれいに仕上がりました。なんか、ロンジン

シルバーアローをちょっと思わせる面構えですね。と思ってwebの写真を見に行ったら、だいぶ

違ってました(^_^;