SEIKO Marvel 17J

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またもやセイコーの時計です。マーベル14404と呼べばいいのでしょうか。よくわかりません。
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製造はだいぶ古いようで、裏蓋のナンバーから1959年10月のものと思われます。

裏蓋以外は20ミクロンの金メッキが施されていますが、この固体はあちこちはげて地肌の真鍮?が出ています。

針にさびや曇りがあり、文字盤にも若干の汚れがあるものの、前回のスカイライナーよりはきれいです。

裏蓋を開けると、赤金めっきされたムーブメントが出てきました。ところどころめっきがはげているものの、

全体としては悪くありません。


さっそく分解です。この時計は風防側から中身を取り出すタイプでした。ベゼルとケースの間の汚れは

少ない方でしょう。

針を外して文字盤を外すと日の裏が見えました。竜頭まわりが荒れているのが気になりますが、

分解を続けます。丸穴車の下が偏磨耗しているのも気になります。
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竜頭まわりを分解すると、内側も荒れていることがわかりました。
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どんな理由があってこんなになるんでしょうか。

日の裏側が終わったので裏蓋側の分解です。香箱受けのネジのひとつが違う種類のようです。

組立のときにわかりましたが、ねじの太さかピッチが違うようです。もともとそうなのか、

ねじ山をつぶしてしまったのでサイズアップしたのかはわかりませんが、機能には影響なさそう。

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分解が終わったら洗浄して組立です。二番車をつけて、香箱をつけて、二番車の受けをつけ、

香箱受けを取り付けたところ、どうしても地板にぴたっとくっつきません。浮いている箇所を探したら、

分解のときに気になった偏磨耗の真下でした。受けを外してその場所をよく見てみると、

地板の荒れた竜頭まわりの一部が合わせ面側に盛り上がっていました。そのまま香箱受けを締めこんだため

丸穴車の摺動面がゆがみ、歯車とこすれ合って偏磨耗にいたったのでしょう。
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つけた部品をいったん外し、盛り上がったところをダイヤモンドやすりで削ります。

本当ならまた洗浄するところですが、ロディコで研磨粉を取り除いただけで作業を続けます。

今度は香箱受けのかたつきはなく、裏蓋側は無事取り付け完了。日の裏側も特に問題なく完了。
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文字盤の汚れは表面的なものではなく、拭いたくらいでは取れませんでしたが、インデックスの曇りは

だいたい取れ、針の曇りも取れたのでムーブメントに取り付けます。

ケース・ベゼルも磨き布で磨いて、風防はコンパウンドで磨いて、すべて合体。無事動き出しました。
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心なしか、今までのジャンク上がりの時計の中では一番元気にテンワが回っているような気がします。

それにしても、内部の竜頭まわりの荒れは何だったのでしょうか。気になります。