CITIZEN LEOPARD 4-720024TA

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php
今回はシチズンLEOPARDという機種です。後にわかったことですが、メーカーは「レオパール」と

読ませていたようです。
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入手時は、振ると動きますが精度は未確認で、竜頭操作に難ありという状態です。

それでは早速分解です。これは普通に裏蓋側から機械を取り出すタイプです。ラグ部分が汚いですね。
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裏蓋を開けて出てきた機械はローターのさびを除くとあまり汚れておらず、意匠もそこそこ。
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前回のオメガCal.1012は金メッキがなかったら廉価版ムーブにしか見えないものでしたが、

この機械は個人的な好みではそれより上です。

秒針規制はテンワを押さえるやり方ですが、竜頭からのリンクが凝ってますね。こうしなければ

ならない理由があったんでしょうか。
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吉車がない構造のように見えましたが、動作的には吉車が鼓車のような形状になっていると思った方が

いいのかもしれません。竜頭操作による回転をシーソーのようなギアつきレバーで巻き上げ・針回し・

カレンダー早送りに振り分けています。
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角穴車が香箱の下(文字盤側)にあるのも特徴です。そのためかどうかわからないのですが、通常

小鉄車を解除するとゼンマイのトルクが開放されるはずなのに、この機械ではそれができません。

そのため、つい一気開放をしてしまい、ひやっとしましたが特に部品の破損はありませんでした。

ちゃんとした開放方法はあるのかもしれません。
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カレンダーは、日付のみ早送りができます。曜日は針を戻して進めて・・・という送り方をする必要があります。

今まで分解してきた機械では、板バネや棒バネを折り曲げたリターンスプリングが複数あり、取り付け時に

飛ばして捜索にえらく時間を食ったりしましたが、この機械では部品と一体成形されていたり

固定されたりしていたので楽でした。
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当時は、腕時計をいくつも持っていて使い分ける人はそんなにいなかったと思いますから、

曜日を早送りする必要はほとんどなかったんでしょう。その割には部品点数が多くて複雑です。


テンプを取り付ける作業は、今まで特別に難しいことはなかったんですが、この時計だけは違いました。

なぜか地板のノックと受けのノック穴がすんなり合わず、テンワが地板側に残ったまま受けが機械台から

滑り落ちたり(当然ひげゼンマイはびよよーん)、挙げ句の果てにはあわてて受けをピンセットでつまんだら

思いっきり飛ばしてしまい、床に落下。ひげゼンマイの絡みをほどいても、きれいならせんには

なりませんでした。しばし茫然とした後、一通り部品を取り付け、時計の形にしてそのまま保存箱へ。

ドナーを探すか、ひげゼンマイの修正に挑戦するか、考えています。