OMEGA De Ville 166.0161

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年末にゲットしたオメガDeVilleのジャンクです。針やカレンダーの早送りに難があります。
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切れたベゼル、ところどころ金メッキの下でさびが発生してぼこぼこになった外観を含め、

そのままでは使えませんが、そういうのを選んで入手していますので問題ありません。

ただ、「オメガ」の時計ということを考慮しても高すぎたかな。

裏蓋に"1. REMOVE BEZEL"とあるので、これも風防側からムーブメントを取り出すタイプでしょう。

指示通りベゼルを外し(これは切れているので簡単に外れる)、風防・裏蓋を外し、竜頭を抜いて

ムーブメントを取り出します。金メッキのおかげか、部品の腐食はほとんどありませんが、

けっこうな量の水分が侵入したような形跡があります。キャリバーNo.は1012のようです。
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ETAのムーブメントではないことは明らかですが、自社ムーブとしても作りはあまり手間が

かかっておらず、高級感はありません。

Cal.1012で検索した結果、'70年代前半の機械のようです。'70年代といえばクォーツショックの真っ只中の

はずですから、手間ひまかけた機械など作っている余裕はなかったのでしょう。

それでも竜頭・カレンダーまわりのプレス部品は分厚く、オメガの意地?が感じられます。

分解していきますと、水の跡があちこちについています。擦っても完全には除去できません。

特にローターはひどく、面積も大きくて目立つので何とかしたいと思い、クエン酸溶液にしばらく

浸してみました。その結果、完全ではありませんがだいぶきれいになりました。

この機械の自動巻き機構はモジュールになっています。肉厚のケースに収められていることもあって、

かなりのスペースを占有しています。
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洗浄後、組立に入りました。まず、香箱にグリスを入れます。四つ割りでゼンマイを巻いて、

できるだけゼンマイの外周と香箱の内側にグリスが入るようにします。こだわりみたいなものです。

香箱真の四角がしっかりあるので四つ割りでしっかりつかむことができました。
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このムーブメントは秒針規制できますが、樹脂の部品で押さえる方式のようです。
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7750は鉄板でテンワを止めてましたから、それに比べれば機械へのダメージは少ないでしょう。


輪列を取り付け、受けをかぶせてホゾの乗り上げがないことを確認してから香箱受けを取り付けたのですが、

秒針カナを取り付け忘れていたのでやり直し。このムーブメントは秒針カナが地板に直接ささり、バネで

押さえつけられている構造です。
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そしてアンクル、角穴車、テンプをつけると基本部分はできあがり。自動巻モジュール取り付けは

後にして、日の裏側を組み付けました。その後、自動巻モジュールを組み立てて、輪列の横に

ぽっかり空いたスペースに挿入します。
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ムーブメントの組立が完了したので、針を取り付けるべく0時にしようとしたところ、途中でカリカ

言って回せなくなりました。カレンダーの早送りも針回しもできません。分解前の状態と同じです。

文字盤を外して観察してみると、鼓車と接続する早送りレバーの歯車が2本欠けていることがわかりました。

だましだまし使うこともできません。作業はここでストップしてしまいました。
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このままにしておくのは悔しいので、何とか部品を調達しようと思いますが、本当に高価なジャンクに

なってしまいました・・・こういうこともあるさとは思っていますけどね。