RADO Purple Horse 625-7914-4

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初のラドーです。ジャンクと呼ぶには程度がよすぎる感じですが、針回しがやけに重いので

OH時期なのは間違いないでしょう。
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裏蓋を開けてみたら、テンワの振り角もかなり小さい状態でした。
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ムーブメントにはETAの2789-1と刻印してあります。そう言えば、ETAの機械を分解するのは

初めてになりますね。

ムーブメントを取り出そうと、巻真を抜いてびっくり。先端の角柱部がねじれています。なんで?
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これが正規なんでしょうか?針回しが重くなったまま無理し続けたためにねじれてしまったのか?

とりあえず分解を続けます。

今まで分解した時計は、輪列側から出ている二番車に筒カナが押し込まれていて、

外すときに剣抜きが必要なものが多かったのですが、このムーブメントはそれがありません。

針回し時の抵抗を生んでいる部品はどこにあるのでしょう?

それから、鼓車の長さがかなり短いですが、ねじれた巻真を動かしてみても、特に不具合が感じられません。

これが正常なのかなあ。
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表側に移り、自動巻ユニット、輪列受けを外します。二番車の場所が今までと違うところにあるような。
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香箱の中が汚れ気味なので、ゼンマイを取り出してきれいにすることにしました。

自動巻きだし、なにより構造的に「あの手」を使ってゼンマイを入れられるからです。

注意深くゼンマイを取り出してみると、ゼンマイの外端は予想と違う形状でした。これならますます

戻しやすいはずです。
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部品洗浄後、香箱から組み立てました。内側にグリスを塗って、香箱真を入れて角穴車をネジ留め。

香箱と真の摺動面にもオイルをつけます。ホットグルーでペンと角穴車を接着し、

香箱真にゼンマイ内端を引っかけたらペンを回しながらゼンマイを巻き込んでいきます。

予想通り簡単に入りました。そのままグリスをなじませ、ゼンマイが完全に巻き上がる前に

外端が滑ることを確認し、香箱真の蓋との摺動面にオイルをつけて蓋をします。そして角穴車を外します。

この後はだいたい分解と逆の順番で部品を取り付けていきます。二番車、香箱、ガンギ車、三番車、

四番車、秒針規制レバー、香箱受け、輪列受け。香箱からガンギ車までのスムーズな回転を確認して

アンクル、テンプを取り付け。この後日の裏側に移り、竜頭まわりとカレンダー機構を取り付け。

その際、分解時の疑問が解けました。これまでの時計では二番車とそれに押し込まれた筒カナの

間で抵抗が発生していましたが、この時計では三番車に噛み合っている筒カナと一体に見える

大きい歯車(正式名はわかりません)がその役目を持っているようです。
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これまでいくつか時計を分解してきましたが、時代やメーカー、タイプごとに構造が違うのはおもしろいです。

せっかく分解するのであれば、もう少し克明に写真を撮っておいた方が後々の参考になるなと思いました。


組立後のタイミング調整は、姿勢差や静態動態での差が多めで、ちょっと難航しました。現在は平置きで

微妙にプラス、着用でややマイナス、トータルではマイナスです。その遅れ具合もその時々で違いますが、

がまんできないほどではないので、このまま使います。


この時計は日付と曜日が同時に瞬時に切り替わります。どうしてそうなるのか、写真を見ながら

ちょっと考えただけではわかりませんでした(^_^;

ただ、カレンダーを早送りした翌日の切り替わりは少し変です。こんなものだと思ってますが・・・
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