SEIKO KING SEIKO HI-BEAT 5621-7000
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先日の大地震の時は、出張で遠州方面におりました。その日の内に東京までは帰ってこられたものの、
先日の大地震の時は、出張で遠州方面におりました。その日の内に東京までは帰ってこられたものの、
その先が動かず。国際フォーラムで一夜を明かし、いっこうに動かぬJRより先に復旧した東武線を使って
何とか自宅まで戻りました。幸い、震度6強でも人的物的被害はほとんどなさそうでほっとしています。
もちろん、収納物はすべて床に落ちてますので、それが原因で故障していたり傷がついていたりする
可能性はありますが、今はそれを把握しきれません(する気力もありません(^_^;)
今回の地震で亡くなられたり大きな被害を受けた方々がたくさんおられますが、何と申し上げれば
いいのか・・・月並みな言葉しか思いつかなくて申し訳ないのですが、ご冥福と一日も早い復旧を
お祈りするばかりです。
さて、手巻きのキングセイコーが意外に気に入ったので、今度は自動巻のKSを入手してみました。
手巻きは10振動でしたが、自動巻は8振動なんですね!
青文字盤でローマ数字インデックス、ノンデイトのモデルです。風防が傷でかなり曇っているせいで
文字盤の程度はよくわかりません。
裏蓋のメダリオンはわずかに欠落しています。これが欠けているとかなくなっている時計が多いのが不思議でしたが、実物を見て納得しました。
金属製ではありますが非常に薄く、少し剥がれ出すと加速度的に剥がれていくような感じですね。
この時計もそうでしたが、欠けたところに汚れがぎっしり。剥がれる前に剥がしてしまう人も多いのでしょう。
裏蓋のない構造については、時計分解にはまった最初の頃のロードマチックで体験済みですので
どんどん分解していきます。
ロードマチックと違う点は、ケースの5時過ぎの位置、ラグの間にネジがあって、これを外すと
細いマイナスドライバーでタイミング調整ができるという点です。これがないロードマチックでは、
調整が大変面倒でした。
風防を外してみたら「KS」と「SEIKO」のマークにちょっと腐食がある程度でした。
しかし、どこから発生したのか、細かい砂状のゴミが多数文字盤についていましたので、
OHは必要な段階と思います。ベゼルの下も汚いですが、準ジャンク品としては普通でしょう。
ベゼル取り外し時に風防を一部欠けさせてしまいました。
文字盤を外して裏返してみたら、こんな感じでした。インデックスはアプライドではなくエンボスです。
でも仕上がりはきれいだし脱落の心配がないから問題なし。
内部は、文字盤のゴミ以外にはとくに問題なさそうです。水気が入った形跡もありません。
でもやっぱり、竜頭まわりは黒っぽくなっています。
カレンダーがないので、日の裏の構造は比較的シンプル。
どんどん分解していきますが、分針カナが剣抜きを使わずに抜けたのでちょっと焦りましたが
どんどん分解していきますが、分針カナが剣抜きを使わずに抜けたのでちょっと焦りましたが
結論としてはこれが正常でした。ロードマチックも同じはずですが、記憶にありません(^_^;
この時計の最大の特徴?が外部からタイミング調整できる機能。
このピンがテンプ受けにもうけられたギアに噛み合っていて、この頭を外からドライバーで
このピンがテンプ受けにもうけられたギアに噛み合っていて、この頭を外からドライバーで
回すことで調整ができます。その他の構造はロードマチックと同じだと思います。
それから、この時計もあの手が使えるので、ゼンマイを取り出しちゃいました。
分解の後は洗浄して組立です。
まずは香箱の組立から。香箱に角穴車をつけてペンを接着、ゼンマイを引っかけて巻き込んでいきます。
完了間際に接着が外れてひやりとしましたが、無事収まりました。きれいな香箱は気持ちがいいです。
以降の作業は、教えていただいたサイトの資料を見ながら実行していきました。
目から鱗だったのは、摩擦カナの機能を二番車が持っているということですかね。一体ものだと
思っていましたが、実は大きなトルクがかかると空回りするようになっていて、注油が必要とのこと。
ロードマチックの時は注油しなかったなあ。次回はしてあげよう。
この時計は香箱受けと輪列受けが一体なので、同時に挿入する軸の数がちょっと多いのですが、すんなり
入りました。
ケースは表側がヘアライン仕上げのようなので、紙ヤスリで整え(たつもり)、欠けた風防は手持ちの
同じ外径のものをつけることにしました。しかし、これが入らない。かなり荷重をかけてもつるんと
出てきてしまいます。仕方がないので、欠けた風防を磨いて取り付けました。ベゼルも磨いて取り付け。
ほぼ完成のこの状態でタイミング調整ができるのは大変楽です。そこそこに追い込んでネジを締めました。
つや消し藍色文字盤はけっこうきれいです。濃い色の文字盤と鏡面銀色針の組み合わせは角度により
視認性が悪くなりますが、仕方がないですね・・・
今回も何とか無事終わりました。充実した分解組立ライフを送っていますが、年末からずっとジャンク
上がりの時計ばかり使っていて、それまで使っていた時計の使用頻度がほぼゼロになってしまっています。
何とかしなければ。