SEIKO SPEEDTIMER 6139-6000
疎開先では自由時間が多いので、時計の分解を思う存分やっております。
今回は3個目のスピードタイマーです。文字盤は最初にやっつけた6139-6010と似ていますが、
回転式インナーベゼルとタキメーターベゼルを装備しているため、ケースがかなりごつくなっています。
外観は比較的きれいですが、タキメーターの傷と風防の深い傷が残念なところです。
針にも腐食があり、それが蓄光材にしみ出したような黒い汚れが目立ちます。
今回はこのままにしますが、いずれ塗り替えをしたいと思います。
通常のタキメーターは1サイクルが1分以下の事象しか計測できませんが、
この時計は1サイクル72秒の事象まで計測できます。
タキメーター自体の存在意義がよくわからない中で、どの程度実用性が向上するのかわかりませんが・・・
ま、こういうタキメーターを採用している時計は他にもあるようですが(6263とか)
その他、舶来時計に1サイクル2分以下まで計測できるものがあったような記憶がありますが、
メーカー、モデルは失念しました。
裏蓋を外してみますと、機械はうっすらねずみ色ですが、ひどい汚れやさびはなさそうです。
機械自体はこれまでにやったスピードタイマーと同じですのでどんどんばらします。
香箱内部は、黒というか灰色の汚れとも油とも言えるものがべったりですので、ゼンマイを取り出して
香箱内部は、黒というか灰色の汚れとも油とも言えるものがべったりですので、ゼンマイを取り出して
きれいにします。
部品を洗浄したあとは、整備マニュアルにしたがって注油しながら組み立てていきます。
機械の組立が終わったら文字盤を取り付け、針を取り付けます。
センターのクロノ秒針車の先端に面を取ってあるため、秒針のゼロ位置は出しやすい反面、
30分計針はズレやすいです。マニュアルには復針ボタンを押しながらゼロ位置に合わせると
書いてありますが、ただでさえ汎用機械台に固定しにくい機械なので、
その上で復針ボタンを押しながら針の位置決めをするのは大変困難。
専用機械台を使うのがベストですが、今回は位置決めをした針をロディコで押さえておいて
復針ボタンを押すという、少々危険な方法をとりました。
ケースは、ベゼルとの隙間に腐食があるものの、それほど大きな傷はないので軽く磨いた程度です。
風防の傷も多くないのですが深いため、厚めにクリア塗装しました。それでも穴は消せませんでした。
こうしてとりあえず完成。ペプシカラーのベゼルがいい感じ。この時計、けっこう好きです。
傷のないベゼルを手に入れたいところです。
今は汎用のブレスレットをつけていますが、ケースのラグの間のカーブが通常と逆なので、
隙間が目立ちます。手に入るものなら専用ブレスがほしいところですが、
本体より高くなるのは必至なので別の方法で対処しようと思います。