RADO Chronometer Ref. 11821

何か平べったい印象の時計ですが、"Chronometer"という筆記体の植字ロゴに惹かれて入手しました。
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ケース外径は38mmで、ゴールデンホースなどと比べると2mmほど大きいだけですが、やはり

印象はだいぶ違いますね。

裏蓋を開けると、金色の機械が。ローターに"Chronometer"と彫られていますが、AS1902/03なので

ゴールデンホースの30石と基本的に同じ機械のはずです。
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機械押さえ板の幅が広く、ケースが大きいことがわかります。

ばらしていくと、30石では飾り石がはめ込まれていた自動巻の伝え車が素のままであることが判明。
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それ以外は、30石とおなじでした。
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洗浄後は組み立て。途中でカンヌキのバネが紛失していることに気づき、ころころで捜索しましたが

見つからず。念のため磁石でサルベージしたら見つかりました。

この機械は二番車に摩擦カナが一体化されているわけですが、針回しが重いとイヤなので注油したのです。

ところが、結果的には潤滑過多となり秒針は回っているのに長短針は動かず、という事態に陥って

しまいました。仕方がないのでまた二番車を外して洗って組み直しました。

文字盤は比較的きれいですが、インデックスと針に多少腐食が発生していたので強めに擦ったところ、

一部黒い線が剥がれてしまいました。あまり目立たないのでそのままです(^_^;
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完成後、さっそく使おうと手首につけ、しばらくして時計を見たら、秒針は動いているのに時刻は

合わせたときのままです。一瞬時間が止まったのかと思いましたが、竜頭を引いての針回しが異様に

軽いので、二番車の摩擦カナが滑りすぎなのでしょう。仕方がないのでもう一度取り出して何度も

洗いましたが、改善せず。部品交換しかなさそうです。

幸い、ゴールデンホースの30石は球数が比較的多いので、安いジャンクを見つけて交換しようと

思います。