SEIKO LORDMATIC 5606-5000

ここ2,3日涼しいですね。分解組み立てには絶好の条件ですが、実は諸般の事情で全然作業できていません。

今回のネタもしばらく前のものです。


さて、今回は以前から気になっていた角形ロードマチックです。いつも落札し損ねているのですが、

今回ロードマチックばかりまとめて落札した中に入っていました。
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状態は、写真の通りかなりひどいです。風防は磨けば何とかなると思いましたが、竜頭が回りません。

中は悲惨なことになっていると思われます。とにかく分解しましょう。

ラグ間にはいかにも何か差し込んでくださいと言わんばかりの穴が明いていますが、中がどうなって

いるのかわからないのでコジアケで無理して開けました。後でわかったことですが、やはりこの穴に

細長い物を差し込んで、内部の引っかかりを外して開けるのが正解で、そのための純正工具も

あるようです。

白日の下にさらされた文字盤はやや劣化が始まっており、針も腐食がでていましたが許容範囲。
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しかし機械は危惧した通り悲惨でした。チューブから入った水分により巻真まわりがかなり錆びています。
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このまま部品取りにすることも考えましたが、簡単に諦めたのではブログネタにならんというわけで

とにかく分解し、錆びた部品はさび取りをして復活を試みることにしました。
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一応、さびはそれなりに取れたのですが、一つだけ復活しない部品がありました。切換車という、

鼓車の回転をカレンダーや針回しに切り換えて伝える部品です。56系の弱点として有名な揺動レバーと

つながっています。CRC556に浸しておきましたが、4日間では動くようにならなかったので、

ついにここで復活を諦めることにしました。
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次の選択肢としては、この機械は部品取りとするか、同じロードマチックは同時に複数入手しているので

そちらから切換車をもらうかですが、ケースのデザインが好みでなくOHしても使わないと思われる

ものがあったので、機械をそっくり入れ替えることにしました。

ただしこちらは揺動レバーが壊れているので、これは元の部品を使いました。

また、ドナーは25石で2個石が多いのですが、それはこの部品の違いのようです。
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せっかくですので石付きの部品に交換し、文字盤への記載より使用石数の多い機械にしました。
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そうやって何とか復活した角形ロードマチックですが、精度がめちゃくちゃです。どうも

ひげゼンマイ同士が接触している箇所があるようなのですが、どこだかわかりません。

仕方がないのでテンプ一式を古い方から取り、交換してみました。汚れはだいぶついているのですが、

精度に関してはばっちりのテンプでした。
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ということで完成。今までラウンドケースがほとんどでしたけど、スクェアもいいっすね。
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