ORIENT AAA Crystal 30J

四日ほど帰省していましたが、実家(静岡県)も暑かったです。

さて、今回は先日のオリエントAAAです。

正式名がよくわかりませんが、オリエントAAA クリスタル30Jewelsと書いてあります。

AAAって、けっこう派手なイメージがあるのですが、この時計は比較的落ち着いたデザインで、

石が多めで、安かったので手を出しました。
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届いた品物は、文字盤に若干傷みがあるものの、ガラスはあまり欠けや傷がないので

きれいになりそうです。

機械は、セイコーの時計を見ているようです。過去の写真をひっくり返しても、全体がそっくりな

機種があるわけじゃないんですが、自動巻ユニットだけは62マチック系にそっくりです。
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文字盤を外して日の裏側から分解していきます。曜車の各曜日の間に、その漢字にちなんだと

思われる絵が描いてあるところがオリエントらしいと言えるのではないでしょうか。
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曜車を取りますと、ルビーが4個仕込まれた日送り車が見えました。
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巻真まわりです。巻真の上にあるのは日付の早送り機構。レバー二つで日車を直接送ります。
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次に表側を分解していきます。テンプは両持ちになっています。耐久性はありそうですが、

ブライトリングは片持ちの方が衝撃をかわしやすいと考えているようです。この辺はメーカーの

考え方の違いですかね。私はどちらでもかまいませんが。
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自動巻ユニットは、そのまんまセイコーですね。
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分解洗浄が終わったら、香箱にグリスを差してゼンマイを入れます。
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地板にダイヤショックとダイヤフィックスを取り付け、輪列を取り付けます。
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輪列受けと角穴車をつけ、ガンギとアンクルにオイルを差してテンプを取り付け。
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ここで機械をくいっと振ると、通常はテンプが振動するのですが、今回は大変動きが渋いのです。

いやな予感がしたのですが、角穴車ネジを回してゼンマイを巻くと動きだし、だんだん振りも大きく

なってきたので作業を続けました。

日の裏側です。手巻きできないので吉車がありません。
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日送り車のルビーですが、最初は飾りと思っていましたけど、透けている奥を見ると日送り車の

摺動ガイドがあります。おそらく、日付変更時の振り落ちを低減する名目で取り付けられていると

思います。実質的な効果があるかどうかはわかりませんが。
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日車をつけて
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日車押さえをつけて
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針を挿して
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ケースに入れて自動巻ユニットを取り付けました。

ここでローター真を回してちゃんと巻き上がるか確認したところ、どうもマジックレバーの爪が

滑っているようで、巻き上がってくれません。そこで在庫品のレバーと並べて比べたところ、写真左側の

爪の向きが違うことがわかりました。在庫品は腕を内側に曲げて爪の先を内側に向けているようなので

まねをして腕を曲げて取り付け。巻き上がるようになりましたが、いつまで持つのかは不明です。
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左が滑り事象品、右が在庫品

ローターをつけて
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完成。
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この後試運転をしたのですが、5時間後くらいに止まっているのを発見。一度は動き出しましたが、

二度目に止まったときには振っても針送りをしても動かなくなってしまいました。

テンプをつついてみても、何かに押さえつけられているような感じでまともに動きません。

テンプ受けネジを緩めて受けを浮かせても、明確な改善無し。穴石にゴミが詰まっているのかもと

思って洗い直しましたが、これも変化無し。そのうち秒針が分針に当たって止まるというハズカシイ

事態になったので、一度ケースから出して針を挿しなおしました。その直後、なぜかテンワが

振動しているのを発見。不審に思いながらもそのままケースに入れて動かし続けましたが、

それ以降は止まりません。帰省から戻りチェックしたところ、ゼンマイは完全にほどけているよう

だったので、それまで止まらなかったみたいです。

結局、止まりの原因がよくわからないまま、今も動いています。