今回の時計は?

分解・洗浄は済ませました。いきなり組立から始まります。

地板に耐震装置をつけてから、輪列を組みます。
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自動巻の部品をつけてから一番受けをかぶせなければいけませんが、つけずにやっちゃいました。

気を取り直して部品を取り付け、受けをかぶせました。

そしてアンクルをつけてテンプをつけて振ってみましたが、テンプが振動しません。

オリエントAAA 30Jを思い出してしまいました。

ザラ回しは問題なし。アンクルも動くけど・・・動きが渋いようです。アンクルのアガキかな・・・

アンクル受けのネジを少し緩めてみたところ、アンクルが元気にピンピンと動くようになったので、

これが原因だったようです。でもどうやってアガキを作る? ヨシさん、調整は難しいって書いてたしな・・・

とりあえずアンクル受けを外したところ、受けが接する地板面に変な傷跡が。
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分解の時にも気にはなっていました。ピンセットで擦ってみると、少々凸があるようです。

これを除去したところ、無事テンワが振動してくれました。

しかし、なぜあんな傷が? 雰囲気的には、アガキを小さくするために手を入れた跡のように見えました。

そのまま作業を続け、輪列側を片付け
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日の裏側をやっつけ、
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文字盤針を取り付け。
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そうです、今回はまたロードマチック(5606-7000)でした。

56系は何度もやっているので、ちょっと書き方を変えてみました。

揺動レバーが壊れていたので、接着剤で修理。今まで手がけた56系のほぼ半数は壊れていました。


ワンピースケースですので、ケースに入れてしまうとタイミング調整ができないので、ケースに入れる

前にタイムグラファーでチェック。極端なズレはないのですが、グラフがまったく線にならない。

ひげゼンマイがどこかに当たっているようです。時間が合っていればいいじゃんとも思いましたが、

おかしいのがわかっているのをそのままにはできないので、テンプを外してチェックしてみました。

肉眼では異常ないように見えるのですが、テンワを180度くらい回して止め、マイクロスコープで

見ると、確かに一番外側がすぐ内側のゼンマイに接触しています。次の写真の5時あたりの間隔が

せまいのがわかるでしょうか。
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ちょうど極細ピンセットを新調したばかりだったので、思い切ってひげの修正に挑戦することにしました。

最初はどこをいじるとどうなるというのがぜんぜんわからなくて、もはや修正不能?と諦めの

境地に至りそうになりましたが、壊す前に何とか接触しないようにはなりました。

タイムグラファーにかけてみますと、さすがに直線にはならず、かなり不安定な状態ではありますが、

時計としては使えそうです。平置きと、ケースに入れて風防仮付け状態で装着し、まあ問題ない

レベルであることを確認してから風防とベゼルを圧入し、完成です。
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このケースの形状って、お気に入りの一つであるレオパールとそっくりなんです。
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どっちがまねをしたのか、どちらも他のまねなのかわかりませんけど。


56系はもうおなかいっぱいなんですけど、なぜか着実に増殖してます。