CITIZEN LEOPARD 22J

またシチズンのレオパールです。安いとついつい入札してしまいます。

外観はえらい汚く、汚れというよりはニスのような塗料がかかっている感じです。
イメージ 1


裏蓋についているオープナーの傷もけっこう深いようです。
イメージ 2


その反面、機械の状態は良好です。もしかしたら、分解歴はないかもしれません。
イメージ 3


風防やケースについた塗料は、除光液で落ちました。ガラス風防には若干の傷があり、

ベゼルリングにはひびが入っていました。ミドルケースはヘアライン仕上げになっていますが、

目立つ傷はほとんどないためこのままにしようと思います。

機械をケースからだそうとした時に、香箱車と地板の間にネジのようなものが噛み込んでいるのを
発見。
イメージ 4

「振っても動かない」とのことでしたが、これが原因と思われます。

ピンセットでは取れないので、とりあえずケースから出しました。文字盤、針もきれいです。
イメージ 5

いつも通り日の裏側から分解していくことにします。
イメージ 6
イメージ 7

そして表側です。
イメージ 8

香箱が止まっているので、テンプ・アンクルを外しました。そして受けのネジを緩めた時に異物が外れ、

輪列がうなりながら回転を始めました。結果的にはダメージはありませんでしたが、様子を見ながら

除除にゆるめるべきだったなと反省しています。
イメージ 9

外れた異物がこれです。ネジではないですね。どこにあったのか。どこから来たのか。謎です。
イメージ 10

香箱の中はご覧の通りなので、いつも通り洗浄。
イメージ 11
そして組立です。


この機械は角穴車が地板側につくので、先に地板側につけてから香箱を乗せていましたが、
イメージ 12

香箱真にグリスを塗るようになった今では、香箱側に角穴車をつけても落ちないのでこのやり方にしました。

この方がやや楽ですね。

輪列を組んで
イメージ 13

受けをかぶせます。アンクルをつけて、歯先に注油。最近のやり方ですが、オイラーの先をガンギの

歯先に近づけ、オイルが触ったらその表面張力を利用してガンギを回転させ、次の歯を持ってきます。

これを繰り返しながらすべての歯先に注油します。
イメージ 14

歯は15枚以上あるわけですが、つけすぎてしまう時もあります。どうしようもないのでそのままですが。

そして、アンクルの爪石にはつけません。

これが今のやり方ですが、これでいいという自信はないです(^_^;

テンプの耐震装置の注油は、受け石の真ん中にオイルを乗せてから、それを取り付けます。
イメージ 15

ちょっと緊張します。うまくいけば真ん中にオイルが集まった状態になります。
イメージ 16

自動巻をつけて、日の裏側を組んで、文字盤・針をつけて
イメージ 17
イメージ 18
イメージ 19

ケースに入れ、ローターを取り付けました。そして軽く振ってみたところ、シャラシャラと音がします。

ローターが受けと接触しているようです。おかしいなー、と思いながらしばらく観察していたら、

原因を発見。ローターのプレートとおもりの間に隙間があるのです。固定が緩んでしまったようです。

そういう目でローターを見たら、さらなる発見。リベット留め3カ所のうち、1箇所リベットがありません。
イメージ 21

実は、香箱と地板に噛み込んでいた異物は、ローターから外れたリベットだったのです。

ローターを外してリベットを入れ、3カ所叩いて固定。これで受けとの接触はなくなりました。

何かの弾みでまたリベットが抜ける可能性はありますが、その時は接着剤を使うことにします。

深い傷のあった裏蓋ですが、なんとか目立たなくしようと思いましたけどこれが限界。
イメージ 20

裏蓋の傷とベゼルのヒビ、それからかなり時間をかけたけど傷を取りきれなかった風防が残念ですが、

青灰色の文字盤は今までなかった雰囲気で、なかなかよいです。
イメージ 22