SEIKO KING SEIKO 4402-8000

44KSは二個目になります。なぜかこの時計が好きなので、安いと入札してしまいます。

しかし、安く落札できるのはこんな時計。
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写真を撮る前に針や竜頭を抜いちゃってますが、ちゃんと付いてました。

裏蓋のメダリオンは除去されています。


で、文字盤はこんなんです。
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この文字盤を何とかすれば、再生できるのでは?と思ったのが落札の理由ですが、世の中そんなに

甘くありませんでした。


文字盤を外した機械は、一見傷みはないように見えます。
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ここから香箱までは写真がありません。ご了承下さい。

どんどん分解していって、香箱も開けました。中がかなり汚れているのはいいとして、何となく

ゼンマイが短いような気がしませんか?
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ゼンマイを取り出してみると、外端のストッパーも折れていました。
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こうなったゼンマイが使えたことは今までなかったな、と思いましたが、手巻きですから香箱への

アクセスは比較的容易なので、交換は後でもできると思ってそのまま使うことにしました。


部品洗浄後、ダイヤショック、ダイヤフィックス、二番車と香箱までつけたところ。
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輪列と秒針規正レバー取り付け。
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受けを取り付け、ザラ回し確認、OK。
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その他の部品も取り付け、輪列側は完了。
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日の裏側も完了しましたので動作確認。
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日付早送りまではOKだったものの、針回しをしようとしたら、巻真が抜けてしまいました。

オシドリの巻真止めが、さびはなかったのですが摩耗しているようです。

しかし、なぜか44KSのオシドリがあったので、交換。
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一応、機械はゼンマイ以外は何とかなりましたので、問題の文字盤に手をつけます。

超音波洗浄機にぶちこんで30分ほど洗浄したのがこれ。
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基本的なやり方はクロノスの時と同じですが、SEIKOロゴを切り抜きでよけるのは困難なので

こいつだけ一度取り外しました。そしてこのシールを貼ります。
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貼った後、SEIKOロゴを戻します。
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拡大するとアラがいっぱい見えますね(^_^;

クロノスの時は地が目の粗い銀塗装だったので転写シールの布目があまり目立ちませんでしたが、

上品なサンレイ仕上げは無地みたいなもので、布目・貼りムラがかなりよくわかります。

また、サンレイ仕上げも転写シールに隠されてしまっています。

ひどい状態のままよりはマシですが、転写シールによる文字盤再生には限界というか、もっと

工夫が必要ということは言えそうです。


その後、針をつけてケースに入れ
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できあがり。
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できあがりと言っても、ゼンマイはやっぱり滑るしケースのチューブと竜頭がえらくきつい部分が

あって引き出しにくいとか、巻真の先端が折れている?ようで針回しの時に巻真がふらつくとか、

まともに使えるようにするにはまだまだ手を入れなければいけない状態です。