SEIKO LORDMATIC 23J 5606-8051

またまたロードマチックです。今までのロードマチックと違い、風防がガラスのモデルです。
イメージ 1
イメージ 2


風防の傷はそこそこ多いです。今までガラスの傷取りに何度か挑戦してきましたが、時間がかかる割に

効果は限定的なので、今後はクリア塗装に逃げようと思っていました。

しかし、今回別のアプローチを思いついたので試すことにしました。


機械はきれいです。ネジなんか、ほとんど笑っていません。OH歴なしかな?
イメージ 3


文字盤、針も相当きれい。
イメージ 4


それらを外して、分解に入ります。56系は何度もお見せしているので、ちょっとはしょります。
イメージ 5


56系の最弱点、揺動レバーはやはり壊れていました。
イメージ 6


接着剤による再生を試みましたが、うまくいかなかったので、オールドストックを使いました。

輪列側も全部分解します。
イメージ 7
イメージ 8


二番車のホゾが茶色になっていたのでさびかと思いましたが、油かすか何かだったようで、

拭いたら取れました。
イメージ 9



さて、ケースです。普通なら、ミドルケースとベゼルの合わせ面にコジアケ挿入口があるわけですが、

このケースには見あたりません。あそこが隠れる位置で圧入してしまったのか?

壊す前に専門家に聞こうというわけで、近所の時計屋さんに走り、開け方を聞きました。くだんのケースを

受け取った店主は、言葉少なにいろいろ試してくれます。コジアケでは開かないとわかると、圧入器を

使う方法に切り換え、開始から10分ほどで分解に成功。これは自分では無理でした。「壊す前に

時計屋へGO!」はいい判断でしたね。


ばらしてもらったケースの構成部品です。ベゼル内側にガスケットがあって、ガラスをそこに押しつける

ように中コマがあり、これらがミドルケースに圧入されることで前面の防水性を確保する構造です。
イメージ 10


傷だらけの風防は使いません。代わりに某所から入手したドームガラス風防を使います。

元々付いていたガラスに比べかなり薄いので、ベゼルの縁から少し奥に入ってしまいますが、

これ以上厚いとベゼルがケースに収まらない可能性があるので結果オーライとします。

純正品のように大きな面取りがあればいいんですが、通常の汎用品だとC0.5~1.0がせいぜいです。


さて、ガワが完成したので後は機械の洗浄組立です。思い切りはしょりまして、針までつけました。
イメージ 11


これをケースに入れて
イメージ 12


完成です。
イメージ 13


フラット風防からドーム風防に変わると、えらく雰囲気も変わります。なんだかちょっと高い時計にも

見えてきます。しかし、ケースの形状がちょっと安っぽいし、純正風防なら面取りの部分で見えなかった

ベゼルの内側が少し見えたりして、やっばりそれなりという感じはしますね、冷静に見ると。

でもきれいな文字盤がきれいに見えて、なかなかいいです。