SEIKO LORD MATIC 5606-7070

しつこいまでにロードマチックです。LMの在庫はこれが最後です(^_^;。

今度はワンピースケースのガラス風防モデル。
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ワンピースですから裏からベゼルを押し出す構造はあり得ません。ちゃんとコジアケを差し込む

場所があります。

風防がひどい状態ですが、これは前2回の固定方法ではなく、風防を接着したリングをベゼルで

固定するタイプです。
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このタイプのガラス交換の練習台としてこの時計を選びましたが、ただ風防交換をするだけでは

つまらないので、機械の分解組立もやることにしました。

ただ、この機械が大変な代物でした。かなりの部品が欠品しているのです。
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機械を取り出してすぐに気づいたのはコハゼがないこと、一番受けのダイヤフィックスの受け石と

バネが二つともないことでした。

そこから分解を進めていくと、秒針規正レバーバネ、自動巻の切換伝え車、日車押さえ(小)、

裏押さえ、曜修正伝え車、中間車、揺動レバーの欠品が次々に判明。

普通なら部品取りにするところですが、風防の交換練習がメインテーマであること、部品取り用の

ロードマチックから揺動レバー以外のすべてが取れたことから、ニコイチ作業で復活を目指します。


作業の過程で一番受けのさびや変形が発覚したので交換しましたが、その一番受けは以前角型ロードマチック

の時に四番車の受け石を外していたので、古い方から受け石を外して付け替え。また、針回しや

カレンダー早送りでがりがり言うので鼓車も交換、曜車が変形していてすぱっと切り替わらないので

これも交換。かなりの大手術になりました。よく部品取り一個で間に合ったものです。

揺動レバーはガラ箱からですが、正常品に見えて実はフリクションが減っているため日送りができない

状態だったので、接着剤で固定。いつまで持つでしょうか。


肝心のガラス交換ですが、古い風防は接着剤の劣化のため、何もせずに外れました。

接着剤のカスを除去し、2液タイプのエポキシ接着剤をリングに塗布、ガラスを乗せて接着面から

空気を押し出してから重しを乗せて放置。一晩置いて内側にはみ出した接着剤を爪楊枝と磨き布で

除去。意外に簡単に取れ、仕上がりも文句なしです(すぐにガラスが外れなければ)。
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機械のタイミング調整後、ケースに入れて風防を取り付け、ベゼルを圧入して完成です。
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ガラス風防モデルは、多少高くてもガラスを交換した方がいいと思うようになりました。交換部品が

手に入らなければ仕方ありませんが。その点、ロードマチックとかKSなどのフラット風防モデルは

汎用ガラスが使えるので、ジャンク再生は安上がりです。

本気で再生したい場合は、純正品(または互換品)を使ってください。