CITIZEN CHRONOGRAPH AUTOMATIC 8110A

最近、地震が多いですね。ちょっと前は、小さい地震が頻発しても「小出しにしているから大きいのは

来ない」とかなり本気で思っていましたが、今は逆に「大地震の予兆ではないか」と思うようになって

います。


さて、新春第三弾の後、更新が滞っております。分解途中の時計はいくつかあるのですが、欠品その他の

不具合があって止まったままになっています。その内の一つにシチズンクロノグラフがあるのですが、

いい加減に完成させようということで作業を再開することにしました。この時計がなぜ中断されていたのかは

今後判明します。


この時計は、クロノグラフばっかりのセットの中に入っていたものです。セイコーのスピードタイマー

ばかりの中に一つだけ入っていたシチズンですが、わりとよく見かけるツノクロノではなく、

オーソドックスなデザインのクロノです。文字盤やベゼルはだいぶ年月の経過を感じますが、

醜くはないと思います。
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動作は一見したところでは悪くなく、クロノグラフも機能しているのですが、一つだけ、リセットに

問題がありました。ボタンの感触にクリック感がなく、ぬるっという手応えで、しっかり突き当たるまで

押さないと針が帰零しない点です。これが組み立て直すことで直るのかどうかというのが今回のポイント

ですね。


ということで分解に入ります。裏蓋を開けると見える機械は、なじみのある姿をしています。
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ケースから機械を取り出した時、こんなものが出てきました。
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何の部品かわかりません。左端は破断面のように見えます。どこかの部品が壊れ、その一部が

出てきたと考えるべきでしょう。

針と文字盤を外しました。文字盤は、機械に接着されていました。文字盤裏には足の痕がないので

これが正しい姿なのか?と思いかけましたが、よーく見ると足の痕がありました。足が取れてしまったので

接着したということですね。ジャンクなので文句は言いません。
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曜車は英アラタイプ。ドイツ語くらいならまだわかりますが、アラビア文字ではどうにもなりません。
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日車と曜車を外しました。カレンダー受けの上はこうなっています。
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そのカレンダー受けを取ると、こうなります。右上の歯車は12時間積算計です。そのすぐ下のルビーが

あるところは香箱で、この機械の12時間計も香箱真から直接動力をもらっていることがわかります。
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カレンダー受けの裏にもいろいろ部品が付いていますよ
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どんどん分解していきます。
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クロノグラフ受けの裏にも一杯部品が付いています。
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輪列受けを外しました。
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香箱内はそれほど汚くありませんが、ゼンマイを取り出して洗い、グリスを塗ることにします。
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分解が終わったら洗浄ですが、この時曜車が何となく薄汚れているのが気になって、少しならいいだろう

と思って一緒に洗ったのですが、写真の通りすっかりきれいになりました!
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ずっと中断していたのはこれが一番大きな理由です。このまま組んでしまうことも考えましたが、

あまりにも情けないので、部品取りジャンクの出現を待ちましたが、なかなか出物がない。

部品がバラバラのまま、2ヶ月近くそのまま放置されることになります。         

                                            つづく