TECHNOS Gold Shield 25J

久しぶりのテクノスです。文字盤がかなりダメージを受けていると思います。これをどうするか、

どうできるかがポイントになるでしょう。
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裏蓋を開けると、スペーサーにさびが出ているものの、文字盤から想像したほどのダメージはなさそうです。
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Cal.はETA2472。ちょっと前にやったTECHNOS DELUXEと同じです。あちらは銅色めっきされた機械でした。

針と文字盤を外しました。この辺もきれいです。
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日車を外しました。カンヌキ押さえ等の破損もありません。
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丸穴車は一番受けの裏の部品にネジで固定する構造ですが、ネジ周辺にさびを含め汚れが目立ちます。

この辺にも水気がたまったのかもしれません。
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輪列です。
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香箱です。中はけっこうきれいでしたが、ご覧のようにかなり擦れた痕がありますので、ばらして洗って

グリスを塗ることにします。
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自動巻のユニットもばらします。構成部品はこのようになっています。
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切換車に付いた飾り石の数が違うので、少ない方は脱落したのかと思ったのですが、数えてみたら

17+8=25で表示と合っていました。
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"DELUXE"の2472は30石表示でしたが、今度の2472との差5石分はこの切換車の穴の飾り石でした。


洗浄後の組立です。

香箱からの輪列を組み付けて受けをかぶせ、ザラ回しOK後、一番受けの部品を取り付けます。
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アンクルを付けて注油し、ゼンマイを少し巻いてアンクルをつついてピンピンと動くことを

確認したらテンプを取り付けます。順調に動き出しました。5振動でチラネジいっぱいのテンワですと、

取り付け時にひげゼンマイがびよーんと伸びるのでいつもヒヤヒヤしています。
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この後は日の裏側です。"DELUXE"の時は日送り車・レバーの取り付けに苦労しましたが、一度

わかってしまえば問題ありません。
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日車まで取り付けました。
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この後は文字盤・針取り付け、ケーシングですが、文字盤が最初の写真の通りですので、

あのまま組み付けるわけにはいきません。またタトゥーシールを使うことも考えたのですが、

この文字盤の文字は全部残っていますので、これを温存する方法を考えることにしました。

とは言うものの妙案はありません。結局、文字とその周辺を残して表面コートやさびを除去し、その後

クリア塗装する方針を固め、作業に移りました。

しかし、傷んでいるところは簡単に剥がれますが、傷んでいないところのコートを剥がすのがなかなか

難しく、かなりムラができています。はがし終わった後に全体を均一にする必要もあり、完成までは

まだまだ時間がかかりそうです。


というわけで、機械の分解掃除完了までだけを載せることにしました。今後、他の時計と並行して

作業を続けることになると思います。