SEIKO 5 7S26A

分解着手前の写真をとり忘れたので、途中からになっています。時計は、セイコーの7S26Aを搭載した

セイコー5。型番は不明です。外側は猛烈な堆積物に包まれておりました。

どういう状態で放置すればこうなるのか、教えてほしいところです。

そんな外観でも、振れば動いたと記憶しています。

ケースの構造は、風防とベゼル、ベゼルとミドルケースの固定に樹脂リングを使用しているタイプ。
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裏蓋を開けて機械を取り出しました。機械、文字盤はきれいです。いつも通り文字盤を外し、

曜車、日車と取り外そうとしたところ、日車押さえをとめているネジのひとつがプラスネジで、

これがどうしても外れず作業を中断せざるを得ませんでした(黄色丸)。
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100円ショップのミニドライバーを削ったりしましたが、外せず。

最近になって、ホームセンターで売っている一番小さいマイナスドライバー(0.6mm)をさらに削って、

やっと外すことができました。

ともあれ、分解再開です。この機械が今までやったセイコーの機械と違うのは、緩衝装置のバネが

3本ツノではなく2本であるということ。バネを固定する枠の切り欠きも2箇所あるので、

シチズンのパラショックのように片方を枠に入れておいてもう一方を押し回すような取り付け方ではなく、

両方同時に押し回す必要があります。自動機か治具を使って取り付ける前提の設計なのかもしれないですね。

外すのは簡単だけど、元に戻せるのか、一抹の不安を感じつつ分解を続けました。
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もう一つの違いは、オシドリオシドリ押さえが輪列側にあるということ。なぜこうなっているのかは

思いつきませんでした。
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さらに、二番~四番車の色がシルバーなのはいいとして、普通ならスポーク形状をしている

の二番・三番車がディスク形になってます。コストダウンなのか、強度確保なのか。

なぜ四番車はスポーク形なのか?よくわかりません。
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アンクル受けにメーカー刻印があるのは初めてです。
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香箱もばらしましたが、香箱真との接触面が広く取ってあり、磨耗に強そうなことがわかりました。
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洗浄後は、地板にダイヤショックを取り付けることから始めました。初めての形のバネなので不安でしたが、

意外に簡単に取り付けできました。その後、オシドリと輪列を組み付け。そして受けをかぶせるわけですが、

受けにダイヤフィックス2セットとマジックレバーを先に取り付けておく必要があります。

そこで、ダイヤフィックスの取り付けに入りましたが、これには最初の予想通り、かなり難航しました。

バネの一つをかなり傷めてしまいましたが、何とか取り付け完了。
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もうこの機械はやりたくないですね。もしやるとすれば、ダイヤフィックスは外さずに済ませるでしょう。

この後、マジックレバーをつけて輪列に被せましたが、簡単にすっと入りました。2回やって2回とも

すっと入りましたので、大量生産向けに工夫がされているのかもしれません。


ザラ回しOKを確認し、ネジを締めたらアンクルを取り付け、注油。そしてテンプを取り付け、

ダイヤショック取り付け。こちらはダイヤフィックスと同じ形状で大きいだけのはずですが、

取り付けは簡単でした。
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この後、日の裏側に移ります。鼓車と吉車を取り付け。カンヌキが輪列側にありますから、鼓車の

溝に収まるようにセット。よく見ると小鉄車がありません。鼓車から日の裏車に駆動力が伝わるようです。

筒カナ、筒車、日送り車等をつけて
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日車、躍制レバーを取り付け。日車押さえみたいな外観ですが、名前はレバー(ジャンパー)です。
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その後日車押さえを付けたのですが、その後に日車をつける前にスペーサーを付けなければならないことに

気づき、やり直し。写真はその後の姿です。
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日車押さえを付けて曜車を付け、Cリングで留めます。日の裏側は樹脂の部品が多数あります。曜車、

日車を含め、白や黒の部品は樹脂製です。
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そして、文字盤と針を取り付けました。
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完成までもう一息、というところで問題発生。ミドルケースにベゼルを挿入しようとした時に、樹脂の

ガスケットを変形させてしまい、どうしても付かなくなってしまいました。代替品もないので、純正品を

調達するしかありません。今でも生産している時計ですから、同じサイズのガスケットはあると思いますが

材料屋さんから買うとびっくりする値段なんでしょうね・・・とりあえず問い合わせてみますが・・・

シチズンのチャレンジタイマーも作業を始めてから完成までが長期にわたりましたが、この時計は

それ以上になりそうですわ。ひょっとすると、完成しないかも。