WALTHAM 100 その1
ウォルサムです。100というのは、100石のことです。以前やったロールマチックと同類の
機械かと思われます。ただし、こちらはカレンダーがありません。
竜頭が欠損しているためか、そこそこ安価でした。裏蓋を開けますと、ちょっと薄汚れてはいますが
さびなどはなさそうで、前回のロールマチックより状態がよいようです。
ローターを挟んでいるリングを外すと、びっしり並んだルビーが見えます。
そのローターを外してひっくり返しますと、こちらにもびっしり並んでいるわけですが、よく見ると
一カ所だけ石がありません。
前のロールマチックではすべての穴に石が入っていたので、実際には101石だったのですが、
今度のは正確に100石です。以前ネットで石がない穴があるローターを見た時には、単に
脱落しただけなんじゃないかと思ってましたが、そうじゃなかったんですね。
ケースから取り出し、針と文字盤を外します。文字盤はけっこういい状態です。
日の裏側の構造に変わったところはありません。
輪列側です。自動巻の受けにはUS PATENTと17石の刻印が。ロールマチックでは100石の刻印が
ありましたので、この受けが途中から流用部品になったことがわかります。
輪列は一般的ですが・・・
香箱の下に歯車が二つあります。自動巻の伝え車と角穴車(角穴はないけど)です。
香箱の下に自動巻用の伝え車と角穴車があるのはシチズンの72系(と呼んでいいのかな)も同じです。
どちらが先かはわかりませんが。
香箱内は比較的きれいですが、油っ気がほとんどないのでいつも通りゼンマイを取り出して注油します。
ケースは一部にかなりでこぼこがあります。どこまで消せるかな・・・
自動巻ユニットもばらします。ロンジンの291の例があるので、切換車は入念に脱脂洗浄します。
一通り分解が終わり、これから洗浄という段階になって、「来客があるのでお盆(いつも作業に
使っているトレイ)を返せ」という命が下りました。そこで、トレイに載っていた工具や部品を別の皿に
移そうとしたのですが、その時に手を滑らせて工具を落としてしまいました。その工具が落ちたところが
最悪で、テンプやアンクルを入れてあったカゴに命中。あーっっっと思ったときには部品が飛散。
幸い、紛失はなかったのですが、衝撃でひげゼンマイが絡んでしまいました。
二重三重に絡んでいるので、元に戻せるのか?戻るのか? 気が遠くなりました。
つづく