WALTHAM 100J その3
ひげゼンマイをおかしくしてしまったウォルサムの100石のその後です。
テンプのドナーとなるAS1700/01を探そうと、日米のオークションをチェックしました。
ヤフオクでは一つも見つかりませんでしたが、eBayではたくさん見つかりました。
とりあえずまともそうなジャンクをwatch listに入れていきましたが、ふと思い出したことがありました。
以前分解したままになっていた25石のゴールデンホース57Jが、確かAS1700じゃなかったか?
棚の奥にしまい込まれたバラバラの機械を見ると、テンワがチラネジ付きですが受けの形状は
同じみたいです。最悪はこれが使えるかもしれません。ドナー手配はこれが使えないことがわかってから
にします。
で、ひげゼンマイの状態を比較しますと、やはり違います。正常品?はひげ棒のあたりまで
等間隔のらせんになっています。自分が手を加えた方はひげ棒手前で大きく変形していますので、
ここを直してみることにしました。(左が見本)
最終的に、大きな変形はなくなったものの、ひげ棒周辺の間隔が
まだ広いのですが、これ以上やると致命的なことになりそうなので、この状態で戻しました。
このままでは精度が全然出ませんし、タイムグラファーにかけてみてもまともなグラフが出ないので、
いじっては実測、いじっては実測を繰り返したところ、ようやくまともな精度になってきました。
姿勢差も、「このテンプ」としては期待以上の少なさになりました。うれしいっす(;_;)
今回は、修正の具体的見本があったからよかったんでしょうね。精神的にも楽だったし。
もしなかったら、何が正しいのかわからないので負のスパイラルに陥ったかもしれません。
ひげゼンマイはいじりたくないのが本音ですが、やればやっただけ敷居が下がっていくことが
実感できます。今後も機会があればやった方がいいですね。
これまでにひげゼンマイの変形でガラ箱行きにしてしまった時計がいくつかあるので、こいつらの
修正をやろうかな・・・