SEIKO 5 DX 25J 6106-7010

セイコーファイブデラックス25石、6106-7010です。
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SEIKO 5 DXは、以前やってますので、さらりと行きたいと思います。

裏蓋を開けると、パッキング面はさびていますが、内部にはまだ侵入していない模様。
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ローターが地板や受けに擦れていること、香箱がコハゼと擦れているのが見て取れます。

まずローターを外しました。やはりベアリングにガタがあるようです。

ケースから取り出し、針と文字盤を外します。文字盤は比較的きれいですが、インデックスに

盛られていた蓄光塗料がほとんど落ちているようです。
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曜車を外しました。日車押さえにルビーが2個付いていますが、曜車の回転をスムーズにするため

と思われます。
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日の裏の分解ははしょります。次は表側です。とりあえずテンプをはずしました。はずしたテンプは

いつもひっくり返して置いておくのですが、その時に気づいてしまいました。ひげゼンマイの形が

おかしいことに。間隔が一定でなく、狭いところがあるので、たぶん縮んだ時に触ってしまい、

まともな精度が出ないことが予想されます。
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そこで、洗浄前に修正を試みました。

ひげ持ち・ひげ棒あたりの間隔が広く、反対が狭いという状況に対し、どこをどうすればいいか

考えてみます。じーっと見ていると、ひげ持ちからのひげの出方がちょっと不自然に見えてきました。

そこで、角度をもう少し付けました。それだけではまだ均等にはならなかったので、ひげ棒から先の

クランク状に折れているところまでのカーブを少し緩くする方向に調整。

その結果がこれです。ぶれちゃってますけど。
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これが今のところ精一杯かな。赤い線はいじった範囲を示します。

受けを外しました。普通の輪列です。秒針規正レバーがあります。
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分解が終わったら洗浄し、組立です。この機械はダイヤフィックスがないので助かります。

二番車、ガンギ車をつけて二番受け、香箱を取り付け。香箱とコハゼの干渉痕が気になります。
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その後、三番四番車をつけて受けをかぶせ、コハゼを取り付けました。

今回はガンギ車の歯にオイルを塗って取り付け、アンクルには直接注油せず。

楽なので、これで問題ないならこの方が・・・

そして、ひげを修正したテンプを取り付け。元気よく動いてくれました。修正しなくても動いたかも

知れませんが、まあそこは自己満足ということで。
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その後、あらかじめ組み立てておいた自動巻ユニットを取り付け、これで表側はほぼ終わりです。

ひっくり返す前に横から見たら、やはりコハゼと香箱が干渉しています。

その時に今まで気がつかなかった事実が判明。地板、受けに対して香箱が傾いているのです。
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香箱真か地板・受けの穴か、または両方が摩耗していると思われます。

本来なら、こういうところは部品交換するのがオーバーホールなんでしょうけど、正直そこまでは

やってられないという事情もあるので、止まるまでこのままかな・・・自分の方が先に止まる可能性も

十分ありますけどね。


日の裏側はどんどん部品を付けていくだけ。しかし、文字盤、針もつけ終わったときに異常を発見。

竜頭を引き出してあるのに秒針が動いているのです。鼓車と秒針規正レバーがずれたか?

また日車まで外さなければならない・・・うんざりしましたが仕方がありません。

鼓車までばらして確認したところ、秒針規正レバーとの噛み合いは外れていませんでした。

おかしいと思いつつオシドリ押さえをつけて竜頭を引いてみると、やっぱり秒針が止まらない。

竜頭を引き出した状態で鼓車の遊びがほんのわずか残っていて、ちょっと押してやると秒針が

止まります。この遊びが正常かどうかわかりませんが、とにかくもう少し押してやらないとダメなので

対策を考えました。最初は秒針規正レバーをいじることを考えましたが、輪列をまたばらすのは

面倒なのでカンヌキを少し曲げることにしました。これはうまくいきましたが、方法としてどうなのか

疑問は残ります。


ともあれ、作業は完了。さっそく明日使ってみます。
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