Wyler Dyna Star 25Jその後
ローター軸受け石が割れていたために作業が中断されていたワイラー ダイナスターですが、
ドナーのETA2472が届いたので作業を再開しました。これがドナー。
この受けをそのまま移植するのが一番楽で確実なんですが、RADOとしっかり彫ってあるのと
きれいさが全然違うので、ここはやはり石のみの移植を実行することにしました。
さて、欲しい石は上側だけですが、どうやって抜いたらいいでしょうか。しばらく考えて、
裏から押し出すというごく普通の方法を取ることにしました。ポンス台を使い、石よりちょっと
細い平タガネで裏側を叩いて石を取り出します。
石を割ることもなく、無事に分解が成功しました。
下側の石も同じもののように見えなくもないですが、上に付いていた方をワイラーの受けに移植します。
これもポンス台の上で、裏側を上にして石よりも太い平タガネで押し込みました。
見た目はばっちりです。
切換車や伝え車を取り付け、そしてローターを恐る恐る締め付け、受けを振ってみました。
特にガタもフリクションもなく動いているようです。ほっとして本体側に組み付けました。
後は文字盤、針を取り付け、ケースに入れて風防取り付け、ベゼルをはめ込んで完成。
一度逆向きで巻いてしまったゼンマイの影響ですが、理屈(推測)では十分巻かれた状態を
基準とすると、後半遅れが出てくるはずです。
しかし、今のところ危惧したような現象は出ておらず、意外に鈍感なのかな?という感じ。
クロノメーター認定を狙うならまだしも、本人がわかった上で普通に使う分には問題はないのかなと
思います。