RICOH Dynamic Auto 33J AUTOMATIC CALENDAR

リコーダイナミックオート33Jは2回目です。初回のやつはカレンダーがなかなかうまく切り替わってくれず、

そのままになっています。今回のダイナミックオートは、部品に問題があった場合のドナーとして

入手しましたが、状態はこちらの方がよさそうなので、こちらを生かすことにしました。
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針、文字盤はきれいみたいですが、ラグやベゼルにめっきの剥げがあります。これはお約束みたいな

ものですが。

裏蓋を開けました。機械は部分的に曇りがありますが、さびや目立つ汚れはありません。
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ケースから取り出し、針と文字盤を外しました。文字盤が日車押さえを兼ねています。こちらも

きれいです。
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日の裏側の分解が終わったら表側です。自動巻の受けを外しました。この時計の自動巻は、

極一部を除いてユニットにはなっていません。厚みのある、頑丈そうな歯車です。
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自動巻受けの裏にはネジ含めて6個の部品が固定されています。機能としては自動巻のコハゼのようです。
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輪列です。ごく普通です。
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分解後の洗浄は、汚れているもの・しっかりきれいにしたいものをパーツクリーナー中で筆洗い・超音波

洗浄後、全部品まとめてメタルクリーナーで洗浄します。その後水洗い・アルコールで脱水・熱風乾燥し、

組み立てに入ります。今回は保油装置を分解しませんでした。付けたまま洗ってきれいになるかどうかを

確認するためです。結果的には、元々あまり汚れていなかったこともあり、問題はなさそうでした。


この時計に使われている耐震装置は、Novodiacというらしいですが、バラショックやダイヤショック

との大きな違いはツノの数と枠の切り欠きの数が同じということです。専用工具を使って三箇所

同時に押さえて回すという作業が前提と考えられますが、専用工具がないとやりにくいことと言ったら。

思想としては、セイコー7S26で使われていたI形のダイヤフィックスと同じなのでしょう。これは

ツノが2本なので何とかなりましたが、Novodiacは手が3本必要になるので無理があります。

それでも何とか取り付けは完了し、どんどん部品を組み付けていきます。
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ザラ回し、アンクル爪石注油、テンプ取り付け後、三番受けの上に自動巻の輪列を乗せていきます。
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自動巻の受けを取り付けたら日の裏側に移ります。
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こちらもどんどん部品を付けていきます。難しいところ、珍しいところはありません。
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文字盤、針をつけて、ケースに入れて完成です。
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めっきが剥がれていたケースとベゼルは、その部分を磨いてつるつるにしてからめっき工房で処理。

元々のめっきが剥がれていることはよく見ないとわからない程度になりました。強い光線下では

さすがにわかりやすいですが。

めっきをすべてきれいに剥がしてからめっき工房を使うのがいいんでしょうが、きれいに剥がすのが

面倒(^_^; 

一部割れていた風防は、手持ちの汎用風防にぴったりサイズがあったので交換しました。