エピラム処理
以前書いた技術手帳の終わりの方に、エピラム処理について書いてあります。
ベンジン100ccにステアリン酸0.07-0.1gを溶かしたものに部品を漬け、よく振り切って自然乾燥させる
としか書いてありません。これだけだと簡単そうに見えますね。
でも、皮膜を作っただけでは油が落ち着くところがないので、油を留めておきたい部分の皮膜は
除去する必要があるんじゃないでしょうか。それをどうしたらいいかがよくわかりません。
「エピラム処理」で検索するといろいろなサイトやブログがヒットしますが、ほぼすべて、
皮膜の除去については言及していません。そんな中で唯一、エピラム処理に懐疑的な内容を書いている
ブログの中に除去方法(爪石特化)が書いてありました。
除去方法と言っても、注油せずに動かし、衝撃により除去されるのを期待するみたいな感じでした。
でも、爪石と接触するガンギ歯の面積って本当に小さいので、その部分だけ皮膜が取れても
油が十分保持できないんじゃないかと思うんです。そのブログ主も、注油量が少なくなることに
疑念を抱いていました。また、ホゾについた皮膜の悪影響(振り角低下)も指摘していました。
ということであれば!処理方法の方向性が見えてきます。
まず、処理液にはガンギ歯・爪石周辺のみ漬ける。ホゾは絶対漬けない。
ガンギ歯の衝突面は面積が小さいので皮膜除去しなくても影響は無視できる(しちゃう)から皮膜は取らない。
爪石の斜めカットの部分の皮膜をできるだけ広く除去し、ここを油溜りとする。
問題は、どうやって除去するか。肝心なところが未解決ですわ。
でも、成分はろうみたいなものだということなので、セロテープで取れちゃうんじゃないかという
気もしてます。とりあえず、やってみます。
ちなみに、検索中に拾ったロレックスの特許出願公開情報によると・・・
エピラムとは1930年代にどこぞのWoog氏がステアリン酸を主成分として開発した
潤滑油飛散防止剤に付けられた名前で、時計製造業界では表面における潤滑剤の保持を保証する
働きのあるあらゆる物質をエピラムと呼んでいる。
1970年代まではステアリン酸が主成分であったが、その後シリコーン系、フッ素化ポリマー系の
エピラムが開発された。シリコーン系は成功しなかったが、フッ素化ポリマー系はMoebius社製の
Fixodrop FK-BSや3M社製のFluoradシリーズ(FC-722他)などで今でも使われている。
フッ素化ポリマー系の溶剤には通常テトラデカフルオロヘキサン(C6F14)が使われるが、
この物質は、いったん気化すると空気中で3200年間安定を保ち、CO2換算7400の
温室効果ポテンシャルを持つ温室効果ガスとなる。
そこでロレックスは新しいエピラム剤を開発したよ、となるわけです。興味のある方は調べてネ。
ベンジン100ccにステアリン酸0.07-0.1gを溶かしたものに部品を漬け、よく振り切って自然乾燥させる
としか書いてありません。これだけだと簡単そうに見えますね。
でも、皮膜を作っただけでは油が落ち着くところがないので、油を留めておきたい部分の皮膜は
除去する必要があるんじゃないでしょうか。それをどうしたらいいかがよくわかりません。
「エピラム処理」で検索するといろいろなサイトやブログがヒットしますが、ほぼすべて、
皮膜の除去については言及していません。そんな中で唯一、エピラム処理に懐疑的な内容を書いている
ブログの中に除去方法(爪石特化)が書いてありました。
除去方法と言っても、注油せずに動かし、衝撃により除去されるのを期待するみたいな感じでした。
でも、爪石と接触するガンギ歯の面積って本当に小さいので、その部分だけ皮膜が取れても
油が十分保持できないんじゃないかと思うんです。そのブログ主も、注油量が少なくなることに
疑念を抱いていました。また、ホゾについた皮膜の悪影響(振り角低下)も指摘していました。
ということであれば!処理方法の方向性が見えてきます。
まず、処理液にはガンギ歯・爪石周辺のみ漬ける。ホゾは絶対漬けない。
ガンギ歯の衝突面は面積が小さいので皮膜除去しなくても影響は無視できる(しちゃう)から皮膜は取らない。
爪石の斜めカットの部分の皮膜をできるだけ広く除去し、ここを油溜りとする。
問題は、どうやって除去するか。肝心なところが未解決ですわ。
でも、成分はろうみたいなものだということなので、セロテープで取れちゃうんじゃないかという
気もしてます。とりあえず、やってみます。
ちなみに、検索中に拾ったロレックスの特許出願公開情報によると・・・
エピラムとは1930年代にどこぞのWoog氏がステアリン酸を主成分として開発した
潤滑油飛散防止剤に付けられた名前で、時計製造業界では表面における潤滑剤の保持を保証する
働きのあるあらゆる物質をエピラムと呼んでいる。
1970年代まではステアリン酸が主成分であったが、その後シリコーン系、フッ素化ポリマー系の
エピラムが開発された。シリコーン系は成功しなかったが、フッ素化ポリマー系はMoebius社製の
Fixodrop FK-BSや3M社製のFluoradシリーズ(FC-722他)などで今でも使われている。
フッ素化ポリマー系の溶剤には通常テトラデカフルオロヘキサン(C6F14)が使われるが、
この物質は、いったん気化すると空気中で3200年間安定を保ち、CO2換算7400の
温室効果ポテンシャルを持つ温室効果ガスとなる。
そこでロレックスは新しいエピラム剤を開発したよ、となるわけです。興味のある方は調べてネ。