Citizen Diamond Flake 25J

今回はシチズンのダイヤモンドフレーク25Jです。国産最薄の機械らしいです。薄型と言えば

セイコーゴールドフェザーがありますね。昨年分解してますが、裏押さえを替えたり文字盤替えたり、

いろいろやりました。


このダイヤモンドフレークは、竜頭がセイコーみたいですがそれ以外は問題なさそう。小傷はたくさん

ついていますが、エッジは残っています。
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刻印がしっかり残っている裏蓋を外しました。機械もきれいですし、裏蓋の合わせ面の腐食も

全くありません。保存環境は比較的良好だったようです。
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機械を取り出すために巻真を抜いたらびっくり。気持ちが悪いので正体を確かめずにふき取って

ゴミ箱へ。
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針と文字盤を外しました。ここも問題なさそうです。どんどんばらします。
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次に表側です。写真を撮る前にうっかりテンプを外してしまいました。
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これがダイヤモンドフレークの輪列です。通常とちょっと違いますね。
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輪列と2番受けみたいな部品を外しました。
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香箱からあふれ出たグリスが付着しています。手巻きなのでここまでグリスを入れなくてもいいと

思うのですが。

それはともかく、ゼンマイのパワーは香箱から分カナ、伝え車を介して一番外の二番車に伝わり、

三番四番と伝わりながら中央ら戻ってくる輪列です。この構造は、リコーパンチに載っていた

機械とよく似ていますね。

ゴールドフェザーでは分カナが分針を回すためだけに存在していたので、コハゼでガタを抑える

必要がありましたが、ダイヤモンドフレークでは分カナが輪列一筆書きの一部なのでガタがでません。


部品を洗浄して組立開始です。盆休みに注文していたオートオイラーがようやく届いたので、

今回から使い始めました。確かに楽です。失敗もありません。もっと早く導入すればよかったな。

さて、どんどん部品を組み付けていきましょう。
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文字盤と針をつけます。薄型の時計だと、針と文字盤の隙間がとても狭いので針付けに苦労します。

古い時計ですと針のハカマも緩んでいるので、針がゆるゆる、ということがあります。

針をつけた後に隙間を確保しようとしたために、横から見ると針がうねっていたり。

これも分針が緩かったため、返りバリのように裏に出ていた盛り上がりを叩いて見かけの穴径を

締めて取り付けました。
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ケースに入れて
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完成。
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完成したところで、国産二大時計メーカーの薄型時計を並べてみました。
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左がダイヤモンドフレーク、右がゴールドフェザーです。機械のみの高さを比較すると、

ゴールドフェザーが2.9mmでダイヤモンドフレークが2.75だとか。

ダイヤモンドフレークの方が径が大きくて薄いので、ゴールドフェザーがころんとした時計に

感じられます。

横から見てみると、裏蓋、ミドルケース、風防すべてダイヤモンドフレークの方が薄いようです。

機械の高さは0.15mmしか違わないのに、外装がその差をさらに大きくしているということですね。

これは、文字盤の違いも影響していると思われます。ゴールドフェザーはアプライドインデックス

なので、その分針と文字盤の隙間を大きくとる必要があります。方やダイヤモンドフレークは

彫り込みインデックスですので、当然全体の厚みに違いは出てくるものと思います。

現物の実測では、ゴールドフェザーが7.9mm、ダイヤモンドフレークが7.1mmでした。
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同じ文字盤仕様同士で比較したら、いい勝負かもしれませんね。