SEIKO SPORTSMATIC 5 DELUXE 25J 7619-9030

次にどれをやろうか、ガラ箱を探っていた時にこの時計が訴えかけてきた(ように感じた)ため、

取り出しました。作業中、この機械は最近やったような気がすると思ってましたが、やはり

やってました・・・ まあいいでしょう。

外観はふつうのジャンクです。動作確認をしますと、カレンダーが進まないようです。日付の

早送りだけはできます。原因はどこにあるのでしょうか。
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裏蓋を外しました。合わせ面にはだいぶ汚れがたまっていますが、機械はまだきれいですね。
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針と文字盤を外して曜車を見たら、この機械の曜車は2週間で1周することがわかりました。前回は

気づきませんでした。
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曜車を取った日の裏側ですが、特に変わったところはありません。カレンダーが進まない原因も

不明です。
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しかし、分解を進めていくとその原因が判明。日送り車に打ち込まれている2本のピンのうち、

1本が抜けていました。こうなると日送り爪、曜送り爪が効かないので進まないわけです。
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抜けたピン自体は残っていましたので、打ち込みなおして修理します。

直す過程では一度打ち込んだら深すぎて曜送り爪が引っかからなかったとか、やり直すため裏から

叩いたら抜けてどこかへいってしまったとか、いろいろありました。

それでも諦めかけた頃に作業トレイの中でみつかり、最終的には何とか修理もできて胸を

なで下ろしましたが、床に落ちていたらたぶん見つからなかったでしょう。

これは輪列です。香箱のふたの外周に擦れた後がありますが、これは過去の経験では香箱と真の

ガタがおおきくなってしまったことにより香箱が傾いてコハゼと擦れ合うからだと推測されます。

徹底的にやるのであれば、香箱の穴とか地板、一番受けの穴を締めて余分なアガキを取るのでしょうが、

今回は一番ガタの大きいところ(地板)を締めるだけにしました。
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分解後洗浄して組立です。前の写真と同じに見えますが、一応洗浄後です。
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表側は自動巻まで取り付けました。次に日の裏側です。
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さっき修理した日送り車も取り付け、さあ日車をつけようと思い、日車をクリーニングしたところ、

何と! こんなことになってしまいました。
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今まで、洗浄液に漬けて文字がとれてしまった失敗はありましたが、拭いただけで文字が

取れてしまったのは初めてです。タトゥーシールを使った修復の道がありますが、今回は

疲れてしまったので油性ペンでなぞって済ませます(ヒドイ・・・・)。
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文字盤と針をつけて
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機械に入れて
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完成(ホントは終わってないけど)
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一日使ってみましたら、また振り当たりがでました。宝くじは当たらないのに。そこで、また

スリッピングアタッチメントの形をいじって、組み込み。チェックした感じではたぶんOKかな、

と思いましたが、もう一日使ってみた結果、14時間くらい装着していて+23秒でした。

平置きでどれくらいかを確認しないといけませんが、振り当たりとは言えないレベルだと思います。


日車の修復はいずれやります。ただ、修理した日送り車がいつまで持つかわからない不安もあるので、

ジャンク入手も視野に入れてます。7619だとジャンクが安く手に入るんじゃないかという期待も

あるので。