CITIZEN SEVENSTAR V2 NIKOICHI

シチズンのセブンスターV2です。これも何個もやっていますが、レオパール、V2あたりは

高くないしなぜか好きなので、ついつい手を出してしまいます。

今回のV2はこれです。
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風防の傷がすごいです。深い傷はないのですが、曇りガラス状態です。これをどうするかというのが

今回のテーマです。さっそく裏蓋を開けます。
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十分きれいですね。写真を撮り忘れましたが、針と文字盤もかなりきれいでした。

その文字盤を外します。曜日は日本語です。
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その曜車を外します。日車の早送り爪の押さえだけがなぜかさびています。謎です。
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その早送り爪は、樹脂製でした。これは初めて見ました。
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次に輪列側です。
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前回のオリエントクロノエース同様、二段重ねの三番車で秒カナのふらつきを抑えています。

また、この個体も香箱外周にちょっと擦った跡がありますね。

アンクル部分の分解途中、ドライバーが滑ってアンクル受けに当たったのですが、そのショックで?

爪石が一つ取れてしまいました。シェラックはあるし、直し方もわかりますが道具がありません。

一晩考えましたが、今回はドナーから取ることにしました。
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次にケースをばらしました。ガラスの下にパッキングが入っていますが、これがかちかちになっていて

外す時にポリポリ折れてしまいましたので、ガラ箱をごそごそと探しましたらサイズぴったりの

パッキングが出てきました。ラッキー。
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さて、今回のテーマ、曇りガラス風防の処置です。水ガラス重ね塗りが一番楽ですが、このままでは

きれいにならないような気がしたので、別の方法を考えることにしました。深い傷はないので

金剛砂で表面を薄く削り、だいたい均一にしたところでキイロビンで磨き、ある程度透明にした

ところで水ガラス塗布、でどうだ?
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と言うことで金剛砂でごりごり。だいたい均一な磨りガラスになったところでキイロビンで研磨。

こすればこすっただけ曇りが取れていきますが、やはりキイロビンだけでは仕上がらないでしょうね。

もう少しやったら水ガラスを塗ろう、と思っていた矢先、手が滑って風防が流しに落下。と同時に

三つに分解(要するに割れた)。思わず叫んでしまいました。
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代わりの風防なんかガラ箱をひっくり返したって出てこないのはわかっているので、分解待ちの

時計箱から同じ風防を使っているV2かレオパールがないか探しましたら、出てきました。

この文字盤はあまり好きではないので、部品取りにするのもあまり惜しくありません。
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しかし、よく見るとケースの形はこちらの方が好みではないですか。ということで、風防含む

ケースの入れ替えをすることにしました。

ケースを磨くためにベゼルを外しました。こちらの風防パッキングも縮んでかちかちになっており、

風防ががたがたでした。
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外装はそろったので、機械を洗浄して組立開始。いつものパターンで輪列側から組み立てていきます。
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この機械は角穴車が表にないので、巻真まわりを取り付けないとアンクル取り付け後の確認が

できませんから、この機械は巻真まわりから組み始めるべきですね。アンクル受け取り付け後、

ひっくり返して巻真まわりを取り付けます。
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ゼンマイを巻き上げて、アンクルの動作確認と注油、そしてテンプ取り付け、自動巻部品取り付けと

進めていきます。
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また日の裏に移って、残りの部品を取り付けていきます。
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文字盤と針を取り付けます。針も文字盤もけっこうきれいです。
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いつも通り、磨いたケースに機械を入れて
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完成。
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風防を割ってしまうという失態から、二個一にせざるを得ませんでしたが、結果的に好みの

文字盤とケースを組み合わせることができたので、ある意味ラッキー、けがの功名と言えるかも

しれません。