ブライトリングデイ2012

今年もブライトリングデイの季節になりました。

今年はツーリング計画とかち合ってしまいましたが、ツーリング帰りに汚いかっこで会場に

行ってきました。

展示されていた時計は、元々店舗に並んでいたもの+αで、めぼしいものはトランスオーシャン

三針デイデイト黒文字盤くらいでした。


私が毎年ブライトリングデイに行く一番の理由は、技術者とほぼ一対一で話ができるからです。

今年もいろいろな話をさせていただきましたが、その前に今年のデモンストレーションから。

01表側の分解実演~ネジ8本外すだけで香箱摘出可能

  従来の機械ではオーバーホール扱いとなる修理も、メンテナンス扱いでできる場合が多くなる

  問題ないところを分解することによる二次災害が防止できる

  01のゼンマイ切れはまだない

  香箱は全巻きから約11周で解放に至る

  ゼンマイの全巻上げは腕に装着して8-12時間必要、ローターの回転数は
  約3000回転(かなりラフ計算)必要

質疑応答含め、こんな話がありました。


次に、ユニタイムの日の裏側分解解説~竜頭の回転の都市リング、24時間リングへの伝わり方解説

予想外でしたが、ユニタイムの日の裏側を分解実演してくれました。

竜頭一段引きで短針と都市リング、24時間リングが回り、二段引きで短針と24時間リングのみ

回りますが、その動きを実現するための構造を見せてくれました。当たり前ですがかなり

たくさんの部品が関与しており、これでひゃくまんえんはリーズナブル?と思ってしまう

くらいでした(メーカーの術中にはまったか?)

何カ国も渡り歩く人にはかなり便利だろうなと思いましたが、ちょっと海外旅行に行って

帰ってくるだけでも恩恵を受けられるのではないでしょうか。


その他の話

文字盤の良品率約3割・・・思ったより悪いですね。

01のローターの動きについて・・・ローターがブルンブルンと動くのが気になり、なぜこうなるのか

聞いてみました。

解説ではローター回転方向の切り換わり時に抵抗が変わるので、それがローターの動きに

出るということでした。両方向巻上げの機械でも、ローターがブルンブルンと回るのは

マジックレバー搭載機と01系しか見たことがないので、「両方向巻上げだから」だけでは

納得いかない部分もありましたが、それ以上は聞きませんでした。いつか01を分解したいものです。


アンクル爪石への注油量・・・下の項目と関連しますが、これは依然気になっているところですので、

また聞いてみました。具体的な量はやっぱりわかりませんでしたが、かなり少なそう。

今の自分の注油量は多いかもしれません。


エピラム処理について・・・01系の保証が5年になった理由として、脱進装置の油が乾きにくく

なったからという理由があるそうです。じゃあ爪石とガンギ歯の潤滑は今までと何が違うのか、

というのを聞いてみました。

そしたらエピラム処理をしているからだとの回答。Cal.01からやり始めたわけではないみたいですが、

この処理を正しくやれば、メーカーが5年保証できるくらいの効果があるということなんですかね。

もうひとつ、エピラムの皮膜をどう除去するのかという点ですが、これは某ブログの記述に

あったように、注油前に稼働させてガンギ歯と爪石をぶつけることで除去するそうです。

注油量がかなり少なくなるのでは?との問いには十分だとの回答。これで5年保証できるということは、

ラフな注油でも2,3年は大丈夫なんじゃないか?



ブライトリングの方針として、ごく普通の実績ある技術のみを使って精度を追求しているそうです。

新素材や、理論的には精度が上がるはずだが組立が大変な機構などには手を出さず、枯れた技術の

組み合わせで勝負する。そこがすばらしいと。ブライトリングが実際にそういう固い信念を持って

貫こうとしているのかもしれませんし、新素材や新機構を扱う体力がないのが実情なのかも

しれませんけど、共感はできますね。


Cal.06の話・・・ブライトリングの公式ロードマップによると2013年は新キャリバーの発表が

予定されていませんが、どうも何か出るようです。今のところベントレーモデルに搭載すること

くらいしか分かっていないようですが、単純に01を30秒クロノにしただけではない、

かなりユニークな機械だとのこと。楽しみですね。


作業現場見学は?・・・常々本職の技術者が作業をしているところを見たいと思っているので、

スタジオブライトリングで実際に作業している現場を見学するようなイベントを開催できないか、

技術者ではなく営業の担当者に話をしてみました。

これに対して、そういうのもおもしろいかもしれないが、作業場は狭いため一度に入れるのが

4,5人なので、大規模にはできそうもないとのこと。

しかし、やりたくない雰囲気はなかったので、いずれは何か企画してくれるかも?