SEIKO 5 DX 25J 6106-7020
今日はセイコー5 DX 25Jです。この時計も分解待ちがたくさんありますので、どんどん片づけましょう。
状態は、見ての通り風防が大変なことになっています。
多少のひびなら、念入りに研げば何とかなるのですが、これだけ深いと消せるかどうかわかりません。
また、角は欠けたり深いひびが入って不透明になっている部分もあります。通常なら交換するのですが、
このサイズが見つからないので、ダメ元で削ることにします。サンドペーパーを使っての手作業では
いつ終わるかわからないので、リューターに粗目の砥石をつけてギュンギュン削ります。
だんだん肉厚が薄くなってきて、熱で変形してしまった部分も出てきました。変形してしまった
部分は仕方がないので、これ以上増えないように注意しながら削っていきます。
その結果、何とか破れることなく傷取りが完了しました。内側が変形して歪んでいますが、ひびが
残っているよりはずっとましです。
さて、機械の方ですが、ローターが少し粉を吹いているものの、けっこうきれいです。
文字盤、針も申し分ありません。
文字盤、針を外しました。曜車を留めているリングが上下逆です。なんとかなりましたが。
日の裏側は問題ないみたいです。
輪列です。この個体も香箱の角が擦れているみたいですが、それ以外は問題ない感じです。
分解が終わったら、いつものように洗浄してから組立開始。今回は、いつもと違って巻真まわりから
組み始めてみました。
ここまで組んだら表側へ行き、輪列を取り付けます。手ぶれしているので小さい写真です。
順調に部品を取り付けていきます。
次に残りの日の裏側を片づけていきます。
文字盤、針を取り付けます。
ケースに入れて
完成です。この角度だと風防の歪みがよくわかりますね。
正面から見ると、あまり目立ちません。
これはケース正面の左上部分の、磨き前の写真です。
たいした傷ではないように見えますが、磨き後は逆に面積が増えたように見えます。
これは、傷を拡大すると高い山と深い谷のような状態なのが、磨き後は山が削られ、谷の入り口が
面取りされたような状態になるため、平らでない部分の面積が広くなるからではないかと
推測しています。これを完全に見えなくするためには相当削る必要がありますが、そこまでやる
理由も気力もないので、この辺でやめておきます。でも、これで十分という気はします。