SEIKO KS HI-BEAT 4502-7010

前回のウルトラクロンに引き続いて10振動の時計です。通称、45KSと呼ばれているキングセイコーです。
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ガラス風防に傷がそこそこあり、文字盤の汚れは若干ありますが、それ以外は悪くありません。

裏蓋も、下手な磨きはいらないくらいです。
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機械も、問題なさそうです。
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状態は、ゼンマイを巻けば動きますし、カレンダーも異常ありませんが、テンプの緩衝装置の

オイルがありませんのでメンテ時です。


ケースの曲面部分はテカっていますが、よく見ると筋目がありますので、かつてはヘアラインか

サテンのような、いずれにしてもポリッシュではない仕上げであったと思われます。このままでも

いいのですが、傷が気になるので何とかしたいところ。てかてかに磨いてしまうのが一番楽ですが、

たぶん下品になると思うので、現状から推測できるこのケースのオリジナル状態にしてみようと思います。
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文字盤はご覧の通り。1時と2時の間の変色が残念。表面のクリア層の下が傷んでいるので、

手の出しようがありませんから諦めます。
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その文字盤を外します。ここも問題なさそうです。
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日車を外して日送り機構を分解します。
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この機械は瞬時切り替えですが、スネイルカムを使っています。組立に苦労した記憶があります。

巻真まわりです。ここも普通の時計と若干構造が違いますね。
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次に表側に移り、受けを外しました。四番車が受けに食いついていたため、並びはバラバラです。
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通常の二番受けに当たる中受けを外します。中央には中心カナ、そこにつながっているのは

中心カナ伝え車です。他の機械でも見られるこの構造は、機械の厚さを抑えるために採用されて

いるようです。
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ケースですが、ヤスリで擦ってみました。筋目が直線になっていない点がダメダメですね。この後

ポリッシュをかけてつやありヘアラインにする予定ですが、手を入れない方がよかったかも。
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さて、機械の方を組み立てましょう。受けをかぶせる前にこれだけの部品を取り付けます。
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写真の下にも注釈が入っていますが、この写真の四番車(右下の歯車)は上下が逆ですので注意してください。

正しく組んだところは写真を撮り忘れました。

受けをかぶせ、残りの部品をすべて取り付けます。これで表側は完了。
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そして日の裏側です。日送り機構のところはやっぱりすんなりとは行きませんでしたが、次は

大丈夫でしょう。左から組んでいって、Z形のバネの下を最後に地板のピンに引っかけるようにする

順番がよさそうです。
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残りの部品も取り付け、カレンダーの動き、針送りなどを確認したら文字盤と針を取り付けます。
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これをケースに入れて
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完成。
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ケースの最終仕上げ後です。よく見ると傷も消えていないし筋目はいかにも手作業って感じだし、

失敗でした。いずれやり直そうと思います。
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